やなせたかし展
熊本市現代美術館で開催中の「やなせたかし展」に行って来ました。
やなせたかし記念館アンパンマンミュージアム(高知県香美市)の開館30周年を記念して、漫画作家やなせたかし氏(1919-2013)の人生と作品群をたどる初の大規模巡回展です。
氏は、少年期に高知の伯父伯母に引き取られ、雑誌「少年倶楽部」で絵を目指し東京高等工芸学校(現・千葉大)に進学。卒業後、田辺製薬宣伝部、昭和16年に徴兵で中国福州に駐屯。昭和21年に復員後、高知新聞社で雑誌編集、東京の三越百貨店宣伝部で社内報やデザインを担当。発表したコマ漫画(ナンセンス漫画)が好評で、漫画家として独立しました。
ストーリー漫画が主流になりナンセンス漫画の仕事が減ると、舞台美術・作詞・放送構成の仕事を手掛けるようになります。作詞「手のひらに太陽を」(1961)、初の詩集「愛する歌」(1966)、漫画「ボオ氏」(1967)、雑誌「詩とメルヘン」(1973)、童話「やさしいライオン」(1975)、童話「チリンのすず」(1978)、アニメ「それいけ!アンパンマン」(1988)などの作品が生まれました。
この展覧会は、「やなせたかし大解剖」「漫画」「詩」「絵本とやなせメルヘン」「アンパンマンの誕生」「人生はよろこばせごっこ」の6部構成で、高知新聞~三越時代を含め、約200点の原画で氏の足跡を振り返ります。
作品の根底には、「なんのために生まれて、なにをして生きるのか」を問い続けた氏の熱い想いが流れていて、「アンパンマン」だけではない氏の作品に触れる絶好の機会となっています。特に詩集の原画「虹のきれはし」「汽車」は、新たな感動でした。
この展覧会は、熊本市現代美術館で6月30日まで開催中。その後は、京都→鹿児島→山口→愛知→福岡→東京と巡回予定です。
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