運慶 祈りの空間―興福寺北円堂展
東京国立博物館で開催中の特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」に行ってきました。
この展覧会は、奈良・興福寺に伝わる運慶作の国宝仏像7軀で、鎌倉復興当時の北円堂内陣を再現した企画展です。
中心に据えられた国宝「弥勒如来坐像」は、北円堂(通常非公開)の秘仏本尊で運慶晩年の傑作。今回は60年ぶりの寺外公開です。
その後方左右に佇む国宝「無著菩薩立像」「世親菩薩立像」は、実在した兄弟僧侶をモデルに玉眼を用いた運慶の技術と思想の結晶とされる肖像彫刻です。
これら3軀の仏像は、北円堂八角須弥壇を模して配置されています。
今回の展示では、さらに、かつて北円堂に安置されていた可能性が高い国宝「四天王立像」(現在は中金堂に安置)を四隅に配して、平家の南都焼討(1181)で焼失し鎌倉初期(1210ころ)に復興した当時の北円堂内陣を再現。
見事なまでの祈りの空間に、運慶の仏像芸術の静と動、美と精神性が際立つ企画展示で、見応えがありました。この展覧会は、11月30日(日曜)まで開催中です。
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