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2025/09/16

運慶 祈りの空間―興福寺北円堂展

東京国立博物館で開催中の特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」に行ってきました。

20250916_300この展覧会は、奈良・興福寺に伝わる運慶作の国宝仏像7軀で、鎌倉復興当時の北円堂内陣を再現した企画展です。

中心に据えられた国宝「弥勒如来坐像」は、北円堂(通常非公開)の秘仏本尊で運慶晩年の傑作。今回は60年ぶりの寺外公開です。
その後方左右に佇む国宝「無著菩薩立像」「世親菩薩立像」は、実在した兄弟僧侶をモデルに玉眼を用いた運慶の技術と思想の結晶とされる肖像彫刻です。
これら3軀の仏像は、北円堂八角須弥壇を模して配置されています。

今回の展示では、さらに、かつて北円堂に安置されていた可能性が高い国宝「四天王立像」(現在は中金堂に安置)を四隅に配して、平家の南都焼討(1181)で焼失し鎌倉初期(1210ころ)に復興した当時の北円堂内陣を再現。

見事なまでの祈りの空間に、運慶の仏像芸術の静と動、美と精神性が際立つ企画展示で、見応えがありました。この展覧会は、11月30日(日曜)まで開催中です。

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2025/09/15

江戸☆大奥展

東京国立博物館(平成館)で開催中の特別展「江戸☆大奥」に行ってきました。

20250915

かつて江戸城の奥深くに存在した徳川将軍家の後宮「大奥」。この展覧会は、庶民が想像する世界とは異なる大奥の知られざる真実を、遺された歴史資料とゆかりの品々で紐解く企画展です。

展示は、「第1章 あこがれの大奥」「第2章 大奥の誕生と構造」「第3章 ゆかりの品は語る」「第4章 大奥のくらし」の4部構成です。

第1章では、庶民が憧れ、想像した大奥を錦絵などで紹介。楊洲周延による明治期の浮世絵『千代田の大奥』は、庶民が憧れた大奥の生活を描いた作品で、会期中を通して全40場面を鑑賞できる貴重な機会です。

第3章では、五代将軍徳川綱吉が側室の瑞春院に贈った刺繍掛袱紗全31枚(国重文)を展示。このほか、歴代の御台所や側室、絵島生島事件で知られる絵島、十三代将軍家定に仕えた瀧山など、実在した大奥の女性たちゆかりの品々が一堂に会しています。

「そろそろお話しましょうか。わたくしたちの真実を」の謎めいたサブタイトルのとおり、閉ざされた空間で、権力の狭間に生きた女性たちの栄枯盛衰、喜怒哀楽、美意識と文化を体感させる華やかな展覧会でした。NHKドラマ10「大奥」の御鈴廊下のセットや衣装の展示も大人気でした。

この特別展は、9月21日(日曜)まで開催中です。

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