臼杵・国宝 臼杵石仏
国宝・臼杵石仏(大分県臼杵市)を訪ねました。
平安末~鎌倉期にかけて彫られた磨崖仏群(4群61体)で、すべてが国宝に指定されています。
約9万年前の阿蘇山巨大噴火で形成された「溶結凝灰岩」の岩壁に刻まれ、立体的で大型の摩崖仏が多いのが特徴とされます。
誰が何のために彫ったのかは不明ですが、一説には真名野長者が愛娘の菩提を弔うため、満月寺(廃寺)を建立し、京の仏師を招いて石仏を彫らせたとの伝承があります。
時は朝廷が失権し、源平争乱の乱れた世。人々は絶望し、来世に救いを求めて石仏に祈りを捧げたと考えられています。
石仏群は、山岳仏教の衰退で千年ほど放置され、風雨に晒されて荒廃。昭和~平成に3度の修復工事が行われ、現在はすべて覆堂で保護されています。
拝観は、一周800mの順路に沿ってホキ(崖)石仏第二群(九品の弥陀像・阿弥陀三尊像)→ホキ石仏第一群(如来三尊像・地蔵十王像)→山王山石仏(如来坐像)→古園石仏(大日如来坐像ほか)と巡ります。
写真は、最も有名な大日如来坐像(古園石仏)。13体の石仏で曼荼羅を表現。江戸期の地震で落ちたとされる仏頭も、平成5年(1993)に元の姿に修復されています。
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