小国・坂本善三美術館
坂本善三美術館(熊本県小国町)に立ち寄りました。
「グレーの画家」の異名をとる坂本善三(1911-1987)は、小国町出身の洋画家です。
帝国美術学校(今の武蔵野美大)で学び、東京で活動。終戦後は熊本に戻り、地元で創作活動を続けました。
当初は具象画を描きましたが、昭和32年に単身渡欧(46歳)。帰国後は、滞欧中に見た建物と色に着想を得て、グレーや黒を多用した抽象画に傾倒。
故郷の自然や風土を織り込んだ独自の抽象表現を確立し、その作風はパリで「東洋の寡黙」「沈黙の錬金術」と高く評価されました。昭和62年、熊本で没(享年76歳)。
この美術館は、平成7年(1995)に小国町が開設。古民家(明治5年築)に明るい和モダンの展示棟を組み合わせた珍しい美術館です。
広い畳敷の展示室で抽象的なアートを鑑賞するという、非日常な体験が新鮮でした。また、若い芸術家に発表の場を提供したり、染色のワークショップなど地域のコミュニケーションの場にもなっています。
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