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2025/07/27

多久・東原庠舎と多久聖廟

東原庠舎と多久聖廟(佐賀県多久市)を訪ねました。

Dsc_7061江戸中期、佐賀藩多久領の四代邑主・多久茂文が開いた学問所と孔子廟です。

多久氏は、肥前の戦国大名龍造寺氏の傍流です。龍造寺家臣の筆頭・鍋島氏が佐賀藩主の座に就くと、多久氏は親類同格として佐賀藩の請役家老など要職を務めました。
しかし、旧主君筋という微妙な立場のため、本藩から様々な圧迫を受け、財政は困窮し、人心は疲弊していました。

17歳で家督を継いだ茂文公は、多久の再興を教育に託します。孝徳を重んじる儒学を奨励し、元禄十二年(1699)、学問所を開設(東原庠舎=とうげんしょうしゃ)。講堂に儒教の祖・孔子の像を祀り、庶民でも志さえあれば学ぶことができました。

さらに宝永五年(1708)、孔子を祀る恭安殿(多久聖廟)を建立。禅宗様仏堂形式に中国(明朝)の伝統的な装飾(鳳凰、饕餮、龍、象、麒麟)を施し、入口に仰高門と左右に半池を備えた折衷様式です(国重文)。廟内には、孔子像を祀る八角形の厨子(聖龕、国重文)と、四配(顔子・曽子・子思子・孟子)の像が祀られています。

以来、「多久の雀は論語をさえずる」と言われるほど論語教育が根付きました。東原庠舎からは、幕末~明治に活躍した鶴田晧(明治刑法草案を作成)、高取伊好(唐津の炭鉱王)、志田林三郎(初の工学博士で電気学会を設立)などの偉人を輩出。

茂文公は、自ら祭官として孔子を称える祭礼「釈采」(せきさい)を催行したとされます。釈采は、現在も春と秋に行われ、多久市長と多久市立東原庠舎中央校・東部校・西渓校の校長など教育関係者が、明王朝の衣装をまとった祭官と献官を務めています。

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2025/07/21

九州の国宝 きゅーはくのたから展

九州国立博物館で開催中の「九州の国宝・きゅーはくのたから」展に行って来ました。

Ccf_000105開館20周年記念の企画展で、九州・沖縄ゆかりの国宝と、同館が所蔵するイチオシの品々を紹介する特別展です。

展示は「第1章 九州・沖縄の国宝」「第2章 研究員のイチオシ」「第3章 キャラ立ち☆われらQT9」の三部構成です。

第1章では、漢委奴国王の金印、沖ノ島の金製装飾品、日本最古とされる太宰府観世音寺の梵鐘、鎌倉期の蒙古襲来絵詞、琉球王尚家の紅型衣装など、九州と沖縄の国宝63点が大集結。

第2章は、平安期の男女神像、江戸期の南蛮船図屏風、天神山古墳の埴輪たちなど、各分野の研究員がイチオシの所蔵品46点を紹介。

第3章では、大宰府政庁の鬼瓦、高麗の地蔵菩薩遊戯坐像、対馬宗家の人形人参、葛飾北斎の日新除魔図24枚など、九博コレクションの中でも個性派の9点を紹介。

普段は現地の博物館や東京・京都の博物館に行かなければ見ることのできない宝物が一堂に会し、とても見応えがありました。

この特別展は、7月5日~8月31日まで開催しています。

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