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2024/09/24

長崎・旧グラバー邸

安政五年(1858)、江戸幕府は五か国(米・英・仏・蘭・露)と修好通商条約を結び開国。長崎には各国の商人が進出し、大浦に外国人居留地ができました。

Dsc_5366_300英国人トーマス・グラバー(1838-1911)は、安政六年(1859)、貿易商の代理人として来日。日本語に長け、人脈を築いて「グラバー商会」(1862ー1870)を設立。茶・生糸の輸出、織物・香辛料・鉄の輸入のほか、討幕派に武器弾薬や蒸気船を提供して財を成しました。

日本の近代化に大きく貢献しています。蒸気機関車の公開運転(1865)を行ったり、明治二年(1869)には蒸気動力で大型船を引き上げる洋式ドック小菅修船場と、佐賀藩と共同で蒸気機関を導入した最新の高島炭鉱を開発。
晩年は東京に移り、明治天皇から勲二等旭日重光章を授与されています。

旧グラバー邸は、文久三年(1863)の建築で、日本現存最古の木造洋風建物です(国重文)。グラバー家二世代が暮らし、増築や模様替えで今の姿になったのは明治二十年ころ。昭和14年に三菱重工長崎造船所が買収し、昭和32年に長崎市に寄贈。

世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」では、小菅修船場、高島炭鉱と共に構成資産の一つになっています。

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