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2024/03/03

朝倉・秋月の眼鏡橋

「筑前の小京都」と呼ばれる秋月(福岡県朝倉市)を訪ねました。

Dsc_4459_300秋月は、旧秋月藩(福岡藩の支藩)の陣屋が置かれ、秋月黒田家五万石の城下として賑わいました。

甘木から秋月へ向かう旧街道は、野鳥(のとり)川に架かる「眼鏡橋」を渡ります。

洋風アーチの石橋で、江戸後期(1810)の架橋。珍しい御影石(花崗岩)製で、両側が段々に作られています(県文化財)。

もとは木造の橋でしたが、川の増水で度々流出。その都度、巨額の架け替え費用が藩財政を圧迫しました。
福岡藩の代番として長崎警備を担当した八代藩主・黒田長舒は、長崎の眼鏡橋に着想を得ます。長崎の石工を招いて、文化二年(1805)に石橋の建設に着工。崩落事故や長舒公の急逝、財政難による中止論など、紆余曲折を経て、文化七年(1810)に完成。九代藩主・長韶公が渡り初めをしました。

単アーチですが「眼鏡橋」と呼ばれるこの橋(当初は「長崎橋」)は、昭和期にコンクリート舗装され、近年まで国道として使われました。平成18年(2006)の復元工事で架橋当時の姿が蘇り、河床の石畳(江戸期)を流れる清流と相まって風情があります。

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