春日・奴国の王都
奴国は、弥生後期に北部九州に存在した国の一つです。
文献に登場する最も古い倭人の国で、後漢書に、AD57年、光武帝に朝貢し金印(漢委奴国王印)を授けられたこと、魏志倭人伝に、邪馬台国に服属している3世紀ころの様子が記されています。
王都は、王墓が発見された須玖岡本遺跡(福岡県春日市)付近と比定されています。
明治期、民家の改築時、巨石の下から一つの甕棺墓が見つかり、副葬品として多数の中国製銅鏡、銅剣や銅矛、ガラス製の玉・壁が出土。威信財の多さから、奴国王(金印を授けられた数世代前)の王墓とされました。
現在、遺跡の大部分は住宅街に変わり、一部が「奴国の丘歴史公園」として残っています。ドーム状の覆い屋で甕棺墓群が保存され、王墓の上石が移設されています(王墓の発見地点は住宅街の空地になっています)。
周辺では、複数の青銅器工房やガラス工房の跡が見つかっており、大陸の先進技術が集積したハイテク都市国家として栄えた様子がうかがえます。
併設の歴史資料館では、出土遺物やジオラマ(王墓、青銅器工房)で、この地に王都があったことを解説しています。
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