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2023/11/26

有田・秋の陶磁器まつり

有田焼の郷(佐賀県有田町)で、11/22(水)~26(日)に行われた、秋の陶磁器まつり。

20231126_300有田町内の各地区で窯元の見学、製品の直売と旧泉山磁石場の特別公開が行われました。

この日は、報恩寺の臨時駐車場にクルマを置いて、皿山地区へ。
源右衛門窯、今右衛門窯、香蘭社、陶悦窯、アリタポーセリンラボ、辻精磁社などの製品を見て歩きました。

写真は、トンバイ塀通りにある辻精磁社さん。350年以上続く窯元で、江戸初期から藩・禁裏御用を務め、現代も皇室に洋食器を納める老舗です。この日は、皇室献上の新旧の品々(菊花御紋章入唐草和皿、御印入の盃など)を拝見しながら御当主から説明や苦労話をうかがう貴重な経験ができました。

お昼は、南山地区の「そば処のりとう」(乃利陶窯)さんへ。陶芸家の御主人が趣味で始めた蕎麦打ちは、今やミシュランガイドに掲載される腕前。作品に囲まれた静かな古民家で、生粉打ち十割そばのコースを堪能。岩塩でいただく蕎麦や、デザートのそばがき(和蜂蜜ときな粉)が絶品でした。

秋の陶磁器まつりは、春の4分の1くらいの人出だそうです。ゆっくり店を巡り、ご店主から歴史や特徴など色々な話を聞くことができ、とても充実した一日となりました(著名なモデルさんとも遭遇しましたし)。

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2023/11/18

企画展示「陰陽師とは何者か」

国立歴史民俗博物館(佐倉市)で開催中の企画展示「陰陽師とは何者か」に行ってきました。

20231118太陰暦(旧暦)が使われなくなり150年。この展覧会は、暦と陰陽道の歴史を振り返り、その育んだ文化を探る企画です。

古代中国の陰陽五行思想は、6世紀前半、百済から倭国に伝来。先進の天文・暦・易の知識は、朝廷の判断に大きな影響力を持つようになります。7世紀、陰陽寮が置かれ天文・暦・占を司る官人(陰陽師)が登場しました。

律令制下、陰陽道は宮廷社会の隅々まで浸透。平安中期(10世紀)には世襲寡占化が進み、賀茂忠行(賀茂家)と安倍晴明(安倍家)の二人が栄華を極めます。

武家政権下では、実利重視で陰陽道は衰退。賀茂家・安倍家は自領に戻り、勘解由小路氏・土御門氏を名乗ります。足利将軍家が土御門氏を登用しますが、戦国の世に陰陽道は失権。知識が民間に流出し、怪しげな加持祈祷や占いで渡り歩く民間陰陽師が出現します。

江戸幕府は土御門氏を陰陽道宗家として迎え、民間陰陽師を統制。土御門氏は、幕府公認で陰陽師を独占的に束ね、将軍家の儀礼に欠かせない存在となり全盛を誇ります。平安期の祖・安倍晴明の神格化が進んだのも同時期です。

陰陽師とは、先端の科学(天文学)に基づく分析(暦)で助言(易)する役割を忠実に果たそうとしたプロ集団でした。怪しげなイメージで語られがちな陰陽師の実相がよく分かり、シャーマニズムと日本人の宗教観についても考えさせられました(文字資料多め)。

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