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2023/04/09

市原・市原歴史博物館

2022年11月にオープンした市原歴史博物館(I’Museum)に行って来ました。

20230409「東京湾と養老川が織りなす市原の歴史への旅」をテーマに、旧石器時代から近現代まで、市原3万5千年の軌跡をたどる展示となっています。

常設展示では、能満上小貝塚のイノシシ型土器(県文化財)、 山倉1号古墳の埴輪群(県文化財)、 人面付土器(市文化財)、「王賜」銘鉄剣(市文化財)など、古代の歴史資料が特に見応えがありました。

民俗展示では、養老川域の生活と行事を紹介。江戸期に河川と東京湾を往来した「五大力船」について、大スクリーン映像でよく理解できます。

この施設は、もともと市の埋蔵文化財調査センターでした。所蔵する遺物をより親しみやすい形で一般公開し、体験型展示を通じて市民とともに地域の歴史を後世に伝えるコンセプトが素晴らしく感じました。

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2023/04/02

佐賀・三重津海軍所跡

旧佐賀藩三重津海軍所跡を訪ねました。

20230402a幕末、長崎警備を担当した佐賀藩は、フェートン号事件やアヘン戦争を目の当たりにし、列強との国力の差を痛感。
日本の植民地化に危機感を抱き、軍備の近代化を急ぎます。

十代藩主鍋島直正公は、佐野常民・田中久重らに西洋技術を研究させ、いち早く製鉄炉(洋式反射炉)の建設と鉄製大砲の鋳造に成功。

製鉄技術をもとに、佐賀藩は、蒸気汽缶と洋式船を研究し洋式海軍を設立します。

三重津にあった藩船溜まりに御船手稽古所(訓練所)を設置。
外国から蒸気船を購入し、自力で蒸気船を建造・修理するため、日本初の洋式ドライドックを完成させました。

ドック内の注排水は、有明海特有の大きな干満差を利用(満潮時に入渠、干潮時にドック内を排水、修理後は満潮時に注水して出渠)したとのこと。先人の知恵に驚かされました。

旧ドライドックの遺構は、発掘調査の後、保存のため埋め戻されています(国史跡、世界遺産)。
隣接の「佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館」では発掘遺構を原寸大で再現(上の写真)。大スクリーンの映像で往時の雰囲気を体感できます。

帰りに有明海の東与賀干潟(ラムサール条約湿地)に立ち寄りました。ビジターセンターの展示解説や映像で知識を得た後、パノラマ展望台へ。ちょうど干潮の時刻で、広大な有明海の干潟を見ることができました。

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