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2023/03/11

東峰・小石原焼の窯郷

妻と小石原焼の窯郷(福岡県東峰村)を訪ねました。

20230311小石原焼は、昭和初期、柳宗悦の「民藝運動」で全国に知られるようになった大分・日田「小鹿田(おんた)焼」のルーツです(国指定伝統工芸品)。

江戸中期、小石原では、藩命で磁器生産を開始。同じころ、小堀遠州七窯の一つ筑前「高取焼」の窯元が、小石原に移りました。

茶陶「高取焼」の影響を受け、磁器から陶器へ生産の主力が移り「小石原焼」に発展。これが山を隔てた日田に伝わって「小鹿田焼」になりました。

小石原焼は、若い陶芸家が加り、斬新な釉薬の使い方と豊かな色彩でモダンな印象です(小鹿田焼は、一子相伝で伝統を守り、絵柄を入れないシンプルさが特徴)。

集落に窯元44軒があり、それぞれ作風に特徴があります。
道の駅小石原では各窯元の製品を一堂に展示(即売)しており、気に入った窯元を見つけてマップ片手に訪ねるのがおすすめです。

道の駅から小石原焼伝統産業会館に向かうと、一本杉古窯跡(1869)がありました。
伝統産業会館では、技法や工程をVTRで紹介。高取焼との違いがよく分かりました。

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2023/03/05

特別展「伽耶」

 九州国立博物館で開催中の特別展「伽耶」に行ってきました。

20230304「伽耶」は、3~6世紀に朝鮮半島南部に存在した王国群の総称です。
高句麗・新羅・百済の強国が割拠し、倭国ではヤマト政権の古墳時代に当たります。

古くから鉄の産地で、3~4世紀は「金官伽耶」を盟主に、新羅・百済、中国、倭(弥生時代)と対外交易を展開。5世紀に高句麗が侵攻すると、「大伽耶」が高句麗と連携し、百済を牽制。中国(南斉)に朝貢し「輔国将軍本国王」の地位を得るなど、外交上手でした。

6世紀、百済が伽耶に侵攻すると、新羅と同盟して対抗しつつ、任那日本府の倭国(ヤマト政権)に加勢を求めました(倭では派遣を巡り「磐井の乱」(527)が勃発)。

しかし新羅が同盟を破って侵攻し、「金官伽耶」が降伏。伽耶連合は内部分裂し、「大伽耶」が新羅に服属(562)して消滅しました。

この特別展は、韓国国立中央博物館、国立歴史民俗博物館と九州国立博物館の主催です。日韓の研究成果を反映した「伽耶の興亡」と、九州展では「渡来人」を加えたテーマ構成になっています。
渡来人と倭人が共存した倭国の社会を俯瞰し、伽耶が倭国の文化形成に与えた影響について、最新の研究成果を紹介しています。

伽耶をテーマにした展覧会は、国内では30年ぶり。展示は、紀元前3世紀~6世紀の鉄・金・木工製品や土器など273点(うち韓国宝物3、国重文11、県文化財40、市町村文化財4)に及び、見応えがありました。
千葉県から、市原・山倉1号墳出土「渡来人形埴輪」(県文化財)が出展されています。

この特別展は、九州国立博物館で3月19日(日)まで開催中です。

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