ゴッホ展@福岡市美術館
福岡市美術館で開催中の「ゴッホ展」に行ってきました。
オランダの画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)は、南部の村ズンデルトの牧師の家に生まれました。聖職者を目指しますが、27歳のとき、画家になろうと決意。身近な農夫や田園風景を素材に素描(デッサン)を学び、ルノワールなど印象派の技法を研究しました。
32歳でパリに出ますが、自らの作風を時代遅れと感じ、スーラなど新印象派の点描技法を取り入れて、それまでの暗い色調から明るい作風に転向。
34歳のとき、南仏アルルで芸術家の共同体を夢見て、ゴーギャンとの共同生活に入ったものの2か月で決裂。自ら左耳を剃り落とす奇行でアルル近郊サン・レミの療養所に収容されます。
晩年は、精神状態が不安定だったようで、パリ郊外の農村オーヴェルで自ら銃で胸を撃ち亡くなりました(享年37歳)。
今回の展覧会は、早くからゴッホの才能に着目し、幅広くその作品を収集したヘレーネ・クレラー・ミュラー女史(1869-1939)によるクレラー・ミュラー美術館とフィンセント・ファン・ゴッホ財団によるファン・ゴッホ美術館のコレクションから52点を展示しています。
ゴッホの初期の素描画(デッサン)や習作、明るい作風に転じたパリ時代の作品、アルル時代の「黄色い家」(1888)、晩年の糸杉シリーズの一つ「夜のプロヴァンスの田舎道」(1890)など、時代ごとに変化する作品を通じて、画家の精神的な内面をも感じることができる構成になっています。
この展覧会は、東京・福岡・名古屋の巡回展で、福岡市美術館では2月13日(日)まで開催中です。