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2020/09/22

桶川飛行学校平和祈念館

9月の四連休に、妻と桶川飛行学校平和記念館(桶川市)に行ってきました。

20200922昭和12年に開設された旧熊谷陸軍飛行学校桶川分教場の跡で、各地から集まった若者が寝食をともにして、飛行兵になるため学びました。
戦況ひっ迫で廃止(昭和20年2月)されるまで、約1500名が巣立ったとされます。廃止後は特攻の訓練に使われ、実際に練習機を戦闘機色に塗装し、知覧に移動して沖縄へ出撃しています。

戦後はGHQの接収を経て、引揚者住宅などに使われた後、桶川市が保存整備を進め、令和2年8月に「桶川飛行学校平和祈念館」として公開されました。

当時の建物のうち、本部兵舎棟、弾薬庫、守衛棟、車庫棟、便所棟が復元されています。兵舎棟では「桶川分教場の開設と戦争への突入」「学校生活」「兵舎寝室(復元)」「飛行学校から戦地へ」の4つのテーマで展示。
生徒たちは、午前5時半起床、午前6時半~午後4時まで実技と学科を学び、午後5時半に夕食、午後9時まで自習し、午後9時半に消灯する学校生活だったようです。
展示には、特攻隊を率いて出撃した若き教官の遺書もあり、厳しい歴史の現実の上に今の「平和」があることを再認識させられました。

飛行訓練が行われた滑走路は荒川をはさんだ対岸にあり、現在はホンダエアポートになっています。かつて「赤とんぼ」(九五式練習機)が飛んだ分教場の上空を、今はセスナが軽やかなエンジン音を響かせながら飛び交っています。眼を閉じると、往時の訓練風景が浮かぶようでした。

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