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2019/11/23

お浜降りセミナー2019(1)

千葉県博図公連携事業として県立中央博物館が開催する「お浜降りセミナー2019」。

20191123第1回セミナーが柏市・東葛テクノプラザで行われました。

この日は、1講「東日本のお浜降り行事」(東京文化財研究所・菊池健策氏)、2講「神輿が海に帰る祭り―房総のお浜降り点描-」(江戸川大学・高橋克氏)、3講「記録映画・房総のお浜降り習俗(普及編)」(文化庁)の上映でした。

1講では、西日本の「浜下り」と東日本の「浜降り」の相違点、東日本の浜降り行事として「東・西金砂神社の大祭礼」(常陸太田市)、「大國魂神社の御潮取り神事」(いわき市平)、「鹿島日吉神社の浜下り」(南相馬市)、「三山の七年祭(磯出祭)」(船橋市)を例に、東日本の特徴を解説。

2講では、房総の浜降り祭礼を駆け足で紹介し、内容を概観。中でも、今では見られない浮島渡しの様子(鋸南)、船形祭礼の御浜出(館山)、寒川神社お浜降りの復活前(千葉市中央区)の写真と解説は大変興味深いものでした。

今回は総論的な話が多く既知感がありましたが、解説を聞きながら、各地の祭礼を撮影に訪れた際の苦労が思い出されて楽しかったです。急な会場変更(県民プラザの機材故障とか)と悪天候で聴講者が少なかったのが残念でした。

第2回のセミナーは、12月1日に君津中央図書館で行われます。

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2019/11/03

企画展「オビシャはつづくよ400年~年のはじめの村まつり~」

関宿城博物館(野田市)で開催中の企画展「オビシャはつづくよ400年~年のはじめの村まつり」に行ってきました。

20191103この企画展は、南関東の利根川流域を中心に見られるオビシャ行事を、名前の謎・地域差の謎・組織の謎・儀式の謎・始まりの謎・村の願いと楽しみのテーマに分けて考察。オビシャの本質に迫る好企画です。

この日は、関連事業として行われた講演会「オビシャ、四百年 祭りのはじまり、村の歴史」を聴講。講師は民俗学者の水谷類氏(元明大講師)です。

柳田国男はオビシャの原型は歩射(弓射)の神事であるとしましたが、弓射を伝えない地域が多いのは何故か、南関東に集中している理由、各地域のトウワタシ儀式に共通性が見られるのは何故か、400年以上遡れないのは何故かなど最新の研究成果を紹介。

オビシャ行事を撮影していると地域ごとに弓射・作り物・盃事など様々な形態があり、柳田説に違和感を感じていた私には、とても勉強になりました。

講演会の前、講師の展示解説に同行させてもらいましたが、まだまだ知らない形態のオビシャがたくさんありました。詳細な図録(800円)は、数少ないオビシャをまとめた資料として必携です。

この企画展は、12月1日まで開催しています。

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