「下勝田の獅子舞」の獅子頭
かつて佐倉市下勝田・天満神社で奉納されていた「下勝田の獅子舞」。
後継者難で平成16年を最後に廃絶し、現在はその舞を見ることはできません。
佐倉市史に次のような記述がありました。
「下勝田の三匹獅子舞は、毎年七月十五日(旧くは二月二十五日、九月三日も演じた)の午後、三十三歳まで若連が下勝田の天満神社で演じ、夜は下勝田共同館(旧くは西光寺)で舞う。夜の獅子を模範獅子といい、年配の舞手が演じ、猿という役が加わる。この獅子舞には、天下泰平、五穀成就、家内安全と書かれたダシという万灯が出る。獅子頭の名称は、雌獅子、中獅子、雄獅子といい、雌獅子には角がなく、中獅子と雄獅子に角がある。(~中略~)獅子舞を囃す楽器は、篠笛と鋲打ち太鼓である。これらは囃子方が担当する。獅子の腰に付けた太鼓は、ほどんど音がしない。また手に鈴や御幣を持って舞うことがある。」
演目は、神楽(庭固め→雌獅子→中獅子→よつあげ→雄獅子→デンツクデン)、幣束(庭固め→雌獅子→幣束がえし→よつあげ→雄獅子)、橋渡り(振り込み→庭固め→雌獅子→中獅子→よつあげ→雄獅子→デンツクデン→橋渡り)の3つの舞があったようです。
夜の「模範獅子」は、年配の舞手が猿面に蓑笠の衣装で踊ったようで、佐倉市史は「仮面をつけるということは個性を超えた存在を示すことであり、蓑笠をつけた衣装は非常に遠いところからお出でになることを意味するもので、山の神とか祖霊神のなり変わりであるとされるので(~中略~)神人一体の舞であると解される」と書いています。
このほか、昼の獅子舞の演目の間に(夜は獅子舞の前に)、輪になって弥勒踊りを踊ったといいます。
廃絶して久しい「下勝田の獅子舞」ですが、その獅子頭は、和田ふるさと館歴史民俗資料室に良い状態で保管・展示されています。
今も年2回、春祈祷(2月25日)と祭礼日(7月15日)に天満神社に里帰りし、神事が行われているそうです。
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