伊香保・温泉神社と美術館
二日目は伊香保神社(温泉神社)と美術館を巡ります。
伊香保神社は、365段の石段の最上段に鎮座し、大国主命と少彦名命を祀ります。
伊香保温泉の石段が整備されたのは戦国時代で、そのころにはすでにこの地にあったようです。
境内には、明治11年(1877)の伊香保大火後に再建された仮宮と小さな神楽殿があります。解説板によると、毎年9月の例祭には神輿が出て、伊香保祭囃子(市無形民俗文化財)が奏されるようです。
続いて、温泉饅頭を求めて神社下の饅頭屋さんへ。
創業は明治43年、江の島・片瀬饅頭にヒントを得て、伊香保の湯(茶褐色)をイメージした湯乃花饅頭を考案。昭和天皇の陸軍特別大演習賜天覧御買上で全国に知られ、ここから各地に温泉饅頭が広まったそうです。
朝の開店直後でしたが有名店だけに長蛇の列…。気温-3度の中、しばらく並んでホカホカのできたてを頂きました。
伊香保の石段街を離れ、伊香保保科美術館へ移動。
竹久夢二、現代日本画家、友永詔三の木彫などの作品を収集・展示した私設美術館です。
特に大正~昭和にかけて活躍したデザイナー小林かいちの作品コレクションは国内唯一で、楽しみにしていました。
かいちは、京都を拠点に絵葉書・絵封筒のデザインを手がけたデザイン画家で、トランプや十字架など西洋的なデザインを取り入れ、アール・デコ調の作品が人気を博しました。デザイナーの先駆けですが、その人物像は謎で、幻のデザイン画家と云われます。
絵葉書・絵封筒やマッチ箱など小作品が中心ですが、独特の色彩とタッチで女性観を描いたレトロモダンな作品を堪能しました。
最後に、伊香保切り絵美術館へ。
切り絵作家の佐藤源治氏とお弟子さんの作品を展示した私設美術館です。
入館すると切り絵について詳しい説明があり、作品の鑑賞ポイントがよく分かります。
白と黒で光と影を表現する切り絵は、緻密に光を計算し尽くして表現する白黒写真との共通点が多い気がします。展示作品は作家ごとに作風が異なり、彩色セル画のような作品もあって奥深さを感じました。
切り絵体験では、手先が器用な妻が挑戦。用意された下絵を選び、黒い紙を敷いてカッターで切り抜いていきます。作家さんが一番大変なのは下絵描きで、切り抜きの失敗はないそうですが、なかなか難しかったようでした。
この後、舞茸センターと農産物直売所に立ち寄り、関越道が混む前に帰宅。旅の機材はOLYMPUS OM-D E-M10III+M.ZUIKO D 12-40mm/f2.8 PROでした。
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