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2018/12/17

伊香保・温泉神社と美術館

二日目は伊香保神社(温泉神社)と美術館を巡ります。

20181216a伊香保神社は、365段の石段の最上段に鎮座し、大国主命と少彦名命を祀ります。
伊香保温泉の石段が整備されたのは戦国時代で、そのころにはすでにこの地にあったようです。

境内には、明治11年(1877)の伊香保大火後に再建された仮宮と小さな神楽殿があります。解説板によると、毎年9月の例祭には神輿が出て、伊香保祭囃子(市無形民俗文化財)が奏されるようです。

20181216b続いて、温泉饅頭を求めて神社下の饅頭屋さんへ。

創業は明治43年、江の島・片瀬饅頭にヒントを得て、伊香保の湯(茶褐色)をイメージした湯乃花饅頭を考案。昭和天皇の陸軍特別大演習賜天覧御買上で全国に知られ、ここから各地に温泉饅頭が広まったそうです。
朝の開店直後でしたが有名店だけに長蛇の列…。気温-3度の中、しばらく並んでホカホカのできたてを頂きました。

伊香保の石段街を離れ、伊香保保科美術館へ移動。

20181216c竹久夢二、現代日本画家、友永詔三の木彫などの作品を収集・展示した私設美術館です。
特に大正~昭和にかけて活躍したデザイナー小林かいちの作品コレクションは国内唯一で、楽しみにしていました。

かいちは、京都を拠点に絵葉書・絵封筒のデザインを手がけたデザイン画家で、トランプや十字架など西洋的なデザインを取り入れ、アール・デコ調の作品が人気を博しました。デザイナーの先駆けですが、その人物像は謎で、幻のデザイン画家と云われます。

絵葉書・絵封筒やマッチ箱など小作品が中心ですが、独特の色彩とタッチで女性観を描いたレトロモダンな作品を堪能しました。

20181216d最後に、伊香保切り絵美術館へ。
切り絵作家の佐藤源治氏とお弟子さんの作品を展示した私設美術館です。
入館すると切り絵について詳しい説明があり、作品の鑑賞ポイントがよく分かります。

白と黒で光と影を表現する切り絵は、緻密に光を計算し尽くして表現する白黒写真との共通点が多い気がします。展示作品は作家ごとに作風が異なり、彩色セル画のような作品もあって奥深さを感じました。

切り絵体験では、手先が器用な妻が挑戦。用意された下絵を選び、黒い紙を敷いてカッターで切り抜いていきます。作家さんが一番大変なのは下絵描きで、切り抜きの失敗はないそうですが、なかなか難しかったようでした。

この後、舞茸センターと農産物直売所に立ち寄り、関越道が混む前に帰宅。旅の機材はOLYMPUS OM-D E-M10III+M.ZUIKO D 12-40mm/f2.8 PROでした。

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2018/12/16

伊香保・源泉かいわい

水沢観音から北上して伊香保温泉の源泉へ。

20181215c伊香保の石段街を過ぎ、街道を左に逸れて河鹿橋へ。さらに5分ほど歩けば源泉に辿り着きます。

発見は1300年以上前で、泉質は硫酸塩泉、泉温は40~43度、湧出量は毎分4000リットル前後だそうです。無色透明ですが、酸素に触れると茶褐色に変わります。

源泉は透明なドームで保護され、地中からじわっと湧き出ています。そばに公共露天風呂があり、途中には源泉を飲める飲泉所があります。試しに舐めると、錆びた釘の味がしてかなり強烈でした。

源泉は石段に沿って湯樋(大堰)を流れ、湯口の樋(小間口)で9軒の源泉所有者(旅館)に権利分に応じた量が厳格に引湯され、引湯量により湯坪の大きさも決められたそうです(伊香保温泉特有の小間口制度)。

20181215dこの日は、伊香保関所跡とハワイ王国公使別邸(市史跡)も見学。

伊香保関所は、江戸幕府が寛永八年、三国街道の裏往還の要所だったこの地に置いた口留番所(正規の関所の要件に満たない小規模な番所)です。
現在は建物が復元され、関所に関する資料を展示しています(無料公開)。

20181215eハワイ王国公使別邸は、旧ハワイ王国駐日公使ロバート・W・アルウィン(1844-1925)の別荘を移築したものです。
氏は、慶応二年(1866)に駐在員として来日。明治14年(1881)に同国総領事に任命され、翌年、日本女性と結婚(日本初の国際結婚)。のち代理公使となり、ハワイへの日本人移民事業に尽力しました。
毎夏を伊香保の別荘で過ごし、地元では「アルウィンさん」と親しまれ、終生を日本で過ごしました。

現存する数少ない旧ハワイ王国ゆかりの史跡で、当時は平屋と二階建ての別棟がありました。併設のガイダンス施設ではハワイと日本、アルウィン家と伊香保の関係が詳しく分かります(無料公開)。

伊香保は先週の降雪が所々に残り、寒さで凍えます。早々に引き上げ、石段街の宿に撤収しました。

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2018/12/15

伊香保・水沢観音

師走の週末、妻と伊香保に行ってきました。

関越道から旧水沢街道を北上し、途中で水沢観音に立ち寄ります。

20181215a正式には五徳山水澤観世音(天台宗)といい、開創は1300年以上前、高麗の恵灌僧正によると伝わります。往時は30余堂を有する大寺でしたが、度々焼失し、元禄年間に徳川幕府が祈願所として再建しました。

参道石段の途中に仁王門(市重要文化財)、境内に観音堂(同)、六角二重塔(県重要文化財)、釈迦堂などがあります。

仁王門は、狩野派の絵師・狩野探雲の龍図が天井で睨みをきかせています。
観音堂は、軒唐破風の丸瓦に葵紋が入り、本尊の十一面千手観音菩薩(秘仏)を祀っています。
六角二重塔(上の写真)は、六角輪転の台座に六地蔵と大日如来を安置した輪蔵で、参拝者が左に3回廻して供養できる仕組みです。
釈迦堂は、平成の大修復で完成した近代的な「宝物殿」です。寺宝の円空作・一刀彫り阿弥陀如来坐像などを収蔵しています(特別無料拝観中)。

20181215bちょうど昼時になり、門前で水沢うどんの昼食。

讃岐(香川)・稲庭(秋田)と並ぶ日本三大うどんの一つで、その昔、参拝客に出したうどんが評判となりました。門前の街道筋に立派な構えのうどん屋が建ち並び、どこに入るか悩みます。
今回は、老舗の1軒でざるうどんと舞茸の天ぷらを頂きました。

次は、伊香保の源泉を目指して北上します。

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