ルーブル美術館展
赤坂に出かけたついでに、国立新美術館で開催中の「ルーブル美術館展」に行ってきました。
今回のテーマは「肖像芸術—人は人をどう表現してきたか」。人の似姿を表現する肖像が果たした役割とその技法の変遷を、ルーブル美術館の全8部門(古代オリエント美術、古代エジプト美術、古代ギリシャ・エトルリア・ローマ美術、絵画、素描・版画、彫刻、美術工芸品、イスラム美術)から厳選した古代~19世紀の作品112点で紹介しています。
展示は、「プロローグ」「記憶のための肖像」「権力の顔」「コードとモード」「エピローグ」の5部構成です。肖像の起源が死者の棺とともに埋葬した仮面に始まり、時代とともに死者の生前を記憶する彫刻・像に代わり、やがて国王の権威を表わす彫像・貨幣になって拡散され、その後、貴族や中産階級が肖像画で自らの存在を記録して残すようになった変遷がよく分かりました。
どの作品も見応えがありますが、個人的にはエジプト出土のマスク(BC1391-1353)、ブルボン公爵夫人の遺骸像(1510-30ころ)、古代ローマ皇帝ティベリウスの彫像(AC40-60)、5歳で即位したルイ14世の胸像(1643ころ)、ナポレオンのデスマスク(1833)、ヴェロネーゼの肖像画「美しきナーニ」(1560、パンフレット写真)に感銘しました。
エピローグでは、アルチンボルドの「春」・「秋」(1573)が出品され、こちらは1年ぶりの再会です。
平日の昼間でしたが、会期末が近いのと夏休み中で館内は混雑しており、ミュージアム・ショップの長い列に図録を買うのを断念しました。
この展覧会は、9月3日(月)まで開催しています。
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