房総の出羽三山信仰
睦沢町歴史民俗資料館で開催中の企画展「房総の出羽三山信仰」に行ってきました。
この企画展は、房総に伝わる出羽三山信仰を、一宮町・大日堂行屋(2016年11月廃絶)と、長南町・芝原行屋(現行)の修行の様子などを関連資料で紹介しています。
千葉県は、関東地方でも出羽三山(月山・湯殿山・羽黒山)信仰が盛んな地域です。かつては、一生に一度は三山に参詣するのが通過儀礼とされ、その背景には「擬死再生」(死装束である白衣をまとい、一度他界(三山)に行って再び生まれ変わることにより、特別な力を獲得する)の考え方がありました。
現在も、市原~長生郡にかけて多くの講があり、三山に代参する行人は、出立前の数日間、行屋(修行場)に梵天を立てて籠もり、厳しく身を浄めます。
展示は、廃絶した一宮町・大日堂行屋の内部を再現し、祀られた掛軸、御神鏡や御幣、五鈷鈴や弘法大師像を展示したコーナーのほか、芝原行屋での拝みの様子、実際に使われた行衣・金剛杖や梵天、宿坊の関東檀家回りで配られた牛図の神札など、資料館が収蔵する出羽三山関係資料600点の中から特に貴重なものを公開しています。
仏画と神号の掛軸を祀り、仏具と神具が混在しているので、神仏習合時代から続いたことが分かります。
祭事撮影で訪れる神社の多くに出羽三山碑が立ち、大日堂行屋廃絶の記事を見かけてから、出羽三山信仰とは?と気になっていました。行屋の内部が公開されることは稀なので、今回の企画展はとても興味深かったです。
企画展「房総の出羽三山信仰」は、6月3日(日)まで開催しています。
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