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2018/03/09

仁和寺と御室派のみほとけ展

上野・東京国立博物館で開催中の「仁和寺と御室派のみほとけ」展に行ってきました。

20180309この特別展は、京都・仁和寺(真言宗御室派総本山)と御室派の寺院が所蔵する寺宝174点(うち国宝24点、国重文75点)を集めた特別展です。

仁和寺は、仁和四年(888)、御願寺(皇室の私寺)として宇多天皇が創建し、自らも出家して法皇となりました。その僧房を「室」と称したので「御室」と呼ばれ、明治維新までは法王・法親王が門跡を務めました。
歴代天皇家とゆかりが深く、また、真言密教の事相(修法の作法など実践を研究)の拠点として数多くの寺宝を伝えています。
ちなみに、千葉つながりでは、成田山新勝寺を開いた寛朝大僧正は宇多法皇の孫で仁和寺別当でした。

展示は、第1章「御室仁和寺の歴史」、第2章「修法の世界」、第3章「御室の宝蔵」、第4章「仁和寺の江戸再興と観音堂」、第5章「御室派のみほとけ」のテーマ別に構成。

第1章では、空海の息遣いを感じさせる国宝「三十帖冊子」(9世紀)、白檀で体高わずか11cmの国宝「薬師如来坐像」(1103)、第2章では、国宝「孔雀明王像」(10~11世紀)、奈良・子島寺の国宝「両界曼荼羅」(10~11世紀)、第3章では、国宝「医心方」(12世紀)、「鳥獣戯画」(18~19世紀)、京都・大福光寺の重文「方丈記」(13世紀)、大阪・金剛寺の国宝「延喜式」(12世紀)などが印象的でした。
第4章では、何といっても現地非公開の観音堂内を再現した展示が圧巻(上の写真、撮影も可)。現地の観音堂が改修工事中だからこそ可能になった企画でしょう。
第5章では、仁和寺の本尊で国宝「阿弥陀如来坐像と両脇侍立像」(888)、一木造りとは思えない大阪・道明寺の国宝「十一面観音菩薩像」(8~9世紀)、1041本の手を持つ大阪・葛井寺の国宝「千手観音菩薩像」(8世紀)などが興味深かったです。精巧な造りと豪華な装飾は、平安期の官営工房ならではの特徴だそうです。

仁和寺は2015年に金堂(旧紫宸殿)と経蔵の特別拝観で訪問しています。今回は、混雑を避けるため夜間開館日を利用しましたが、さすがに会期末が近かったので閉館時間(21時)ぎりぎりまで大勢の人でした。
この特別展は、3月11日まで開催されています。

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コメント

こんにちは、
私も「仁和寺と御室派のみほとけ」展を見ましたので、詳しく丁寧なブログを読ませていただき、この美樹展を再体験させていただきました。一般非公開の修行道場 「観音堂」を特別に再現は、中央の千手観音菩薩立像をはじめ、二十八部衆立像や風神・雷神立像など、33体の仏像に囲まれた荘厳な雰囲気が体験できてよかったと思いました。仁和寺の国宝阿弥陀如来坐像および両脇侍立像は、何度仁和寺を訪れても見られなかった傑作と知っていましたので、初めて北物を見ることができ感無量でした。道明寺の国宝・十一面観音菩薩立像は、その流麗な身体の線と衣文の流れは美しく、 “秘仏”と呼ぶのに相応しい美しいお姿に魅せられました。

私は、今回の「仁和寺と御室派のみほとけ」展で最も強く感銘を受けた仁和寺の阿弥陀如来像と葛井寺の千手観音菩薩像について、その比類ない魅力を詳しく監査して、その美しさの秘密を詳しく考察してみました。 ざっとでも読んでいただけると嬉しいです。ご感想・ご意見などありましたら、ブログにコメント頂けると感謝いたします。

投稿: dezire  | 2018/03/17 14:22

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