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2018/01/23

芳賀日出男写真展

東京ミッドタウンのフジフイルムスクエア写真歴史博物館で開催中の芳賀日出男写真展「伝えるべきもの、守るべきもの」に行ってきました。

20180123日本や世界各地の祭礼を60年以上も撮り続けてきた民俗写真の大家で、折口民俗学に裏打ちされた民俗学的視点で捉えた写真は、単なる記録を超えて、新たに民俗写真というジャンルを開きました。
96歳の現在も、現役の写真家として精力的に活動されています。

今回の写真展は、氏の原点でもある祭礼、人生儀礼、稲作儀礼をテーマにした作品から、昭和28年~平成8年に撮影された29点を展示しています。

「祭り」は、訪れ神(西表島)・鑽火(島根)・奄美の祝女(奄美大島)・幸若舞(福岡)・鷺舞(島根)・若女(平泉)・火防せの神の使い(宮城)・国津神事(福井)・横手万歳(秋田)・まゆんがなし(石垣島)・榊鬼(奥三河)・円座のかんこ踊り(伊勢)・西大寺会陽(岡山)・大黒舞(山形)・供える(伊東)の15点。
「人生儀礼」の部は、七日祝(沖永良部島)・嫁入り(三春)・三十三回忌(沖永良部島)・臨終(奄美大島)・十三祝(沖永良部島)の5点。
「稲作儀礼」の部は、雪中田植(秋田)・伊勢の早乙女(志摩)・虫送り(愛知)・高倉(奄美大島)・年男(福島)・あえのこと(能登)・壬生の花田植(広島)・田の神迎(石川)・一粒の種から(愛知)の9点。

どの作品も、自然に宿る神々とともに生き、日々の恵みに感謝を捧げる人々の姿がストレートに迫ってきます。自分が生まれた頃には、素朴で自然な形で祭礼が受け継がれていた様子が分かり、民俗芸能ファンとしては興味深いものがあります。

写真展としては小振りですが、作品解説リーフレットが詳しくて秀逸です。2月3日と3月3日は、氏本人と息子で民俗写真家の芳賀日向氏によるギャラリートークが予定され、こちらも民俗芸能を撮る者には垂涎の企画です。

この写真展は、3月31日(土)まで開催されています。

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2018/01/08

撮影機材の点検

師走に撮影機材をメンテナンスに出せなかったので、三連休の最終日、いつもの銀座SCに持ち込みました。

20180108毎年、「点検パック」Bコース(ローパスフィルタ清掃、各部動作点検、AF精度、レンズマウントの点検など)ですが、今回は、Df導入から5年目なので、ボディ側のピント点検・調整を加えたAコースを選択。

年明けでSCが混んでいて、Df×2台で所要時間は4時間ほど。点検ではDf2号機(黒)に「若干の後ピン傾向」が見つかり、調整されて戻ってきました。うーむ、気付かなかったよ。こうなると、手持ちのレンズもまとめて点検に出したい気が…。

待ち時間は妻と銀座をぶらぶら。
写真は、新しいGINZA SIX(旧銀座松坂屋)の吹き抜けを飾る巨大なバルーン。芸術家・草間彌生氏のアート作品「風船」です(iPhone6で撮影)。
知らない間にいろいろ面白い店ができていて、銀座は目が離せない街です。

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2018/01/07

君津・蔵玉の神楽

君津市蔵玉の熊野神社で奉納された獅子神楽を撮影。

20180107b小櫃川流域の村々では伝統的に神楽奉納が行われてきました。

蔵玉の神楽もその一つで、熊野神社の歳旦祭(旧行1/2)・春祈祷・宮薙祭・秋祭りに奉納されます。
演目は、「ヤマ」「サガリハ」「オンベの舞」「スズの舞」「オコリ」で、オンベの舞では途中に神楽歌が入ります。

戦後は後継者難で多くの地区で伝承が途絶え、蔵玉地区でも昭和58年ころに神楽保存会が解散。現在は、地元の有志による神楽愛好会が継承しています。

蔵玉の神楽歌
1 千早振う 天の岩戸 押し開き
2 これぞ 神代の 始めなり
3 いざや 神楽を舞いらする
4 神を いさめて 人踊り
5 皆白妙の 御幣を持って 悪魔を祓う そこで楽 泰平楽世と改まる

【この日の進行スケジュール】
12:40~ 神楽櫃を組立
13:30~ 歳旦祭(拝殿)
14:10~ 獅子神楽奉納
ヤマ→サガリハ→オンベ→スズ→オコリ
14:40~ 神楽櫃を分解
14:50ころ 終了
終了

【メモ】
かつて各村々が神楽を奉納した亀山神社(滝原)の祭礼で宮元を務めた由緒ある神楽。現在は、地元でのみ奉納。神楽櫃をその都度組み立て、終わったら解体するのが珍しい。神楽は石段下の鳥居前で奉納され、力強い端正な舞。囃子方は笛2・小太鼓2・大太鼓1。歳旦祭は、数年前から1月第一日曜日に変更。後継者難と舞手不足で中止になる年が多く、この日は長生村からの帰路、ダメ元で立ち寄ったところ見学できた。見物人は集落の皆さんが数人、カメラマンは3人。神社に駐車場あり。
拝殿に向いて舞うので、いい場面は逆光と強いコントラストでカメラマン泣かせ。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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長生・高根新屋敷の筒粥占い

長生村・八坂神社で行われた筒粥占いを撮影。

20180107a【現地解説板の説明】
「この占いは、高根新屋敷の鎮守祇園宮に伝わる神事で、長さ九センチの葦の筒一六本を、米一合の入った鍋に入れて火を焚き、筒の中に粥の満、満足らざるをもってその年の農作物の出来映えや、景気、不景気、吉凶を占うために古来より年頭の正月七日に行われている。」

【この日の進行スケジュール】
8:00ころ~ 準備
炉に榊と注連縄→鍋に水を沸かし米を入れて炊く→葦筒作り
9:00~ 筒粥神事(中殿)
祝詞(神前)→大祓詞(炉前)・葦投入→祝詞(神前)
9:30~ 判定→記録→貼り出し
10:00ころ 終了

【メモ】
地元では「高根新屋敷の祇園さま」と呼ばれる八坂神社。筒粥神事の起源は不詳だが、天保二年(1831)に行われていた記録が残る。神職が炉前で大祓詞を唱え続ける間、葦筒を入れて煮る。作物や天候・世情など16種を占う。判定は、最初の1本を「基準」(五分)とし、相対評価で一~十分を決定。皆で悩みながらも和気藹々と進む。結果は社殿に貼り出し、氏子には神符で配る。かつて氏子は、粥占いの結果を作付けの参考にした(現在は専業農家は2軒のみとのこと)。
他に見学者・カメラマンなし、神社に駐車スペースあり。詳しく教えて頂いた氏子総代さん、自治会長さん、ありがとうございました。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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2018/01/02

富津・船祝い

富津市の富津漁港で行われた「船祝い」を撮影。

20180102船祝いは、年初めに豊漁と安全を祈願する伝統行事で、漁村ならではの風物詩です。
富津漁港では、船に大漁旗を掲げて御神酒を捧げ、集まった人たちに御ひねりを撒いて祝います。

初めに、船霊に御神酒と神饌を供え、御神酒をかけて浄めます。その後、船主が舵を握り、舳先に先手が立って安全祈願の儀式があります。船主が「面舵よ」「取舵よ」「ヨーソロ」と声をかけ、先手が手を右に上げ「おもーかじよ」、左に上げ「とーりかじよ」、上に上げ「ヨーソロ」と復唱します。最後に船上から御ひねりを撒きます。

【この日の進行スケジュール】
8:00ころ~ 船祝い
船ごとに時間が異なり、漁港内のあちこちで行われる
9:30ころ 終了

【メモ】
朝7時に現地入り。場所は、大勢の人が集まっているのですぐ分かる。船ごとに行うため時間はバラバラ。船主が到着して乗り込むと始まる。御ひねりは百円硬貨やお菓子。子供たちが優先だが、大人も負けずに熱くなっていた。強風で、海に落ちた御ひねりも相当あったが、子供たちがタモ網で上手に回収していた。
集まった人は百人ほど、カメラマンは5~6人。始まりそうな船があると、みなそちらへ走る。漁港に駐車スペースあり。
撮影は、強い北西風と朝の光線の向きを考えると、西寄りの岸壁よりも真ん中の岸壁(漁協事務所の所)が吉。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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2018/01/01

2018年を迎えて

Turu7新しい年を迎えました。

本宅サイト「ぐるり房総」は、おかげさまで昨年20周年を迎えました。
この間、23万Prvとたくさんの皆さんに見ていただき、地域の皆さんからも暖かいお声がけをいただき、心から感謝しています。

「ぐるり房総」は、1997年に「心に残る房総」をテーマにスタートしました。
現在は、地域の隠れた魅力を訪ねる「房総の街」と、地域の伝統行事や祭事を記録する「房総の祭」の2つがメインになっています。

昨年は、街歩きを再開して新たな見どころを採訪したり、小集落に興味深い伝統行事を訪ねて撮影したりと、かなりマイペースな活動となりました。

今年も、肩に力を入れずマイペースで、地元の皆さんと一緒に楽しみながら各地の魅力に触れたいと思っています。そして、実際に見たり聞いたり感じたことを伝えることで、「地域の元気」を応援できればと願っています。

新しい年が、すべての皆さんにとって、幸多き年でありますように。
今年も、拙ブログと本宅サイト「ぐるり房総」をよろしくお願いします。

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