金沢・長町界隈の武家屋敷
妻の休暇に合わせて、金沢へ行って来ました。
お盆の帰省ラッシュを見込んで朝4時に出発。外環道→関越道→上信越道→北陸道と渋滞もなく、朝10時に到着。
まずは長町武家屋敷跡界隈を散策。
もともと長町界隈(城の西側)には武家屋敷が並んでいました。大火や空襲に遭うこともなく、今も往時の雰囲気を残しています。
大野庄用水に沿って歩き、金沢市足軽資料館で下級藩士(25俵=6石)の、旧加賀藩士高田家跡で中級藩士(550石)の、武家屋敷跡野村家(有料)で上級藩士(1200石)の、前田土佐守家資料館(有料)で藩重臣(1万1000石)の暮らしぶりに触れます。
足軽資料館は、幸町周辺(城の南側)にあった2軒(清水家・高西家)を長町に移築して公開。足軽にスポットを当てた展示は珍しいです。一方、前田土佐守家は藩祖・利家公とまつ夫妻の次男が祖で、加賀八家(本多・長・横山・前田(別族)・奥村宗家・奥村支家・前田土佐守)として家老・年寄を務めた家格です。藩重臣と足軽の両方の暮らしを対比できて面白かったです。
ちなみに、八家筆頭の本多家は、徳川家康に仕えた本多正信の系統(次男が祖)で、房総・大多喜藩主で徳川四天王の本多忠勝とは別族です。
前田土佐守家資料館の向かいに、金沢市老舗記念館(有料)があります。
藩御用薬種商・旧中家薬舗の建物で、帳場や店の間などが復元されています。座敷に茶室や書院があって、茶道や書画をたしなんだ加賀商人の文化意識の高さを伺わせます(ちなみに中家薬舗さんは、香林坊交差点近くで現在も営業しています)。
庶民の慣習を伝える「花嫁のれん」や「加賀てまり」の展示がとても興味深かったです。
加賀友禅の「花嫁のれん」は、婚礼時に婚家の仏間に掛け、花嫁がのれんをくぐって婚家の先祖に嫁入りを報告したり、近隣に嫁入りを披露するもので、加賀の婚礼には欠かせません。
「加賀てまり」は、江戸期に徳川家から加賀藩三代藩主・利常公に嫁いだ珠姫(当時3歳)が持参したおもちゃが始まり。姫に因んで、娘が嫁ぐ際、幸せを願って娘に持たせるようになりました。
どちらも雅な展示が素晴らしくてお勧めです。
老舗記念館の2階は、金澤老舗百年會の加盟各店による逸品を展示。慶事に使う加賀水引や和傘、飴細工で造った花神輿など、古い伝統に裏打ちされた熟練の技を実感できます。
次は、犀川を渡ってにし茶屋街と寺町を巡ります。
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