金沢・ミュージアム巡り
三日目は、ミュージアム巡りです。
兼六園の周辺は、金沢が誇る美術館・博物館が集中する一大文化ゾーンです。気になるミュージアムをいくつか巡りました。
朝一番に、石川県立美術館へ。
お目当ては、江戸初期の陶工・野々村仁清作「色絵雉香炉」(国宝)と「色絵雌雉香炉」(国重文)です。仁清の彫塑的な作品の代表作で、水平な尾で緊張感がある雄、柔らかな仕草の雌と、雌雄一対の作品です。それぞれ長く別々の個人所蔵で遠く離れ離れになっていましたが、再びこの地で一対に戻りました。
このほか、館内には古九谷の銘品や、加賀前田家のコレクション(前田育徳会尊經閣文庫分館)を展示しています。(館内は撮影禁止、写真はパンフレットを引用)。
続いて、県美の隣にある石川県立歴史博物館&加賀本多博物館へ。
明治末~大正初めに建てられた旧陸軍兵器支廠の赤れんが倉庫3棟を改装した博物館群で、1棟が歴史発見館、2棟が交流体験館、3棟が加賀本多博物館です(愛称「いしかわ赤レンガミュージアム」)。
1棟では、金沢の歴史を、縄文~幕末(第1展示室)、明治~現在(第2展示室)に分け、映像や実寸模型で使ってビジュアルに展示して見応えがあります(説明ガイド機も無料です)。
中でも、「加賀・能登の祭り」をテーマにした展示は秀逸。石川県内の祭礼・行事の再現模型のほか、3面スクリーンの巨大映像+迫力音+振動で臨場感あふれる「祭礼体験シアター」など、充実度がすごかったです。シアター映像は、「でか山を曳く」(七尾・青柏祭)、「祭りの宝庫・能登」(能登・とも旗祭り、七尾・石崎奉燈祭、七尾・お熊甲祭り)、「獅子舞う国」(加賀・親子獅子、金沢・加賀獅子、羽咋・小獅子、七尾・獅子舞)、「火の風流」(白山・虫送り、宝達志水・秋祭り、能登・あばれ祭り)。ここまで祭礼・行事に力を入れた展示は珍しいと思います。
2棟では各赤れんが棟の改修方法の違い、3棟では加賀八家筆頭の本多家5万石に伝わる火事装束が興味を曳きました。
最後は、話題の金沢21世紀美術館です。
2004年に開館した新しい美術館で、コンセプトは「世界の同時代の美術表現に市民とともに立ち会う」。収蔵作品は、ジャンルの枠を超えた現代アートが中心です。
交流ゾーンでは恒久展示作品の一部を無料鑑賞できます。お目当ては、レアンドロ・エルリッヒの作品「スイミング・プール」(2004)。水面を境に上と下の人々の出会いを創出することを狙った作品で、斬新な発想が面白いです(上からは無料ですが、下に入るのは有料です)。
美術館の建物は、円形・全周ガラス張りで、建物自体がアートです。数々の建築賞を受賞しています。
この美術館は、斬新さで話題になり、海外旅行サイトでも人気急上昇。この日も、無料の交流ゾーンを始め、カフェレストラン、ミュージアムショップなど、館内は大混雑でした。
今回の旅は、2泊3日で金沢の文化と歴史を巡りました。現地での足が欲しかったので、北陸新幹線ではなくクルマで行きましたが、金沢は見どころが徒歩圏に集まっているので、クルマはほとんどホテルに置きっ放しでした。
帰りは金沢森本IC→北陸道→上信越道→関越道→外環道と走り7時間ほどで帰宅。旅の機材はRICHO GRでした。
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