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2016/07/24

柏・幻の若白毛囃子

柏市(旧昭南町)若白毛の八坂神社祭礼で奉納される若白毛囃子を撮影に行きましたが、すでに行事中断していました。

20160724【現地案内板の説明】
「八坂神社本殿は、約七尺四方の総欅造りで、裏側にはお囃子の様子の彫刻があります。本殿の基礎石から明治九年(1876)の銘文がみられ、この当時の建立と思われます。若白毛囃子もこの時期に導入されたものと思われます。
若白毛囃子は、八坂神社の夏の例祭(七月二十三・二十四日)に奉納されます。以前は、地区内をみこしと山車が巡行していましたが、今は境内で奉納上演されます。お囃子は太鼓一名・小鼓二名・鉦一名・笛一名の五名で構成されます。舞いは、獅子舞でお浄めをしたあと、きつね・ひょっとこ・おかめ・大黒天などつぎつぎにこっけいな舞が上演されます。(昭南町教育委員会)」

【この日の進行スケジュール】
19:20~ 神事(神輿前)
19:30~ 神事(本殿前)
19:50ころ 例祭終了

【メモ】
若白毛囃子は、後継者難で廃れたが、10年ほど前に手賀西小の児童らが同好会を作り、手賀囃子の古老から伝習して復活。本殿左に設けた仮設舞台で夜7時半ころ~9時ころまで上演した。指導担当の先生が転勤し、4年ほど前から舞手がいなくなり、再び中断している。
現在は、地区の役員さん15人ほどが見守る中、飾り置いた神輿の前と本殿で静かに神事が行われる。話を伺った皆さんは、口々に「昔は賑やかな祭りだったんだけど…」と寂しそうだった。

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2016/07/23

市原・椎津の種蒔神事

市原市椎津の八坂神社祭礼で奉納された種蒔神事を撮影。

20160723【椎津七町会連合会サイトの説明】
「この神事は、農耕の手順を表現した五穀豊穣を祈願する予祝神事である。拝殿を田に見立て、独りの舞人が天狗面・獅子面・翁(おきな)面・媼(おうな)面の4つのお面を代わる代わるつけ、手には剣・鎌・鍬を持ち替えながら耕天・種蒔・虫追い等の所作を笛の調べと太鼓の音と鉦の響きに合わせて、6種の舞を奉納する。
一の舞(剣の舞)
道開きの神とされる佐田比古命(猿田彦の神)の天狗の面と鳥兜を被り、右手に剣、左手に鈴を握り、両腕に力を込めて細かく震わせながら両足屈伸。田畑の四方を鎮め五穀豊穣への祈りを表現。剣の舞と伝わる。
二の舞(草薙の舞)
翁の面をつけ烏帽子を被り、左手で草を束ね、右手に握りしめた鎌を大きく薙ぎながら草を刈る。草薙の舞と呼ばれる。
三の舞(耕天の舞)
二の舞と同じく翁の面をつけ烏帽子を被る。両手で鍬を握り一振り一振り大きく降ろし田畑を耕す。耕天の舞と呼ばれる。
四の舞(七・五・三の舞)
一の舞同様天狗面と烏兜を被り、左手右手の腹と腹を合わせ拳状に他の指を組み、左右の踵を交互に踏みしめながら、地を鎮め均し整える。七・五・三の舞とも呼ばれる。
五の舞(獅子の舞)
獅子頭を被り田畑四方を這いずり、周りの邪気を祓う。獅子の舞または虫追いの舞とも伝わる。
六の舞(種蒔の舞)
媼面と烏帽子を被り、保食神(ほけつのかみ)より賜った稲種(現在では神前に供えられたお米)を四方に播種する。近郊の人々は五穀豊穣の成就と家内安全を祈りこのお米を戴き持ち帰っている。」

【この日の進行スケジュール】
18:00~ 神事
18:15~ 種蒔神事
18:50ころ 終了

【メモ】
かつては八坂神社の祭礼(旧行7/9~15)の宮入前日の夜、御仮屋前で奉納された。現在は、毎年7/23(祭礼翌日)の夕方に奉納。拝殿内で、舞手1人が面と採り物を替えながら、6つの舞をゆっくりとした所作で舞う。1つの舞は約5分と短いが、趣のある幽玄な舞だった。六の舞が終わると、種蒔に使った米を小袋に分けて参詣者に配られる。見物人は地元の皆さんが20人ほど、カメラマンは2人。神社に駐車場あり。
いろいろ教えて頂いた祇園囃子保存会の皆さん、ありがとうございました。なお、開始前、氏子総代さんから「カメラマンの方はフラッシュを連射しての撮影は遠慮して欲しい」とのお話があったので、撮影者は気を付けたい。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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2016/07/18

匝瑳・東谷のあばれ神輿

匝瑳市・東谷のあばれ神輿を撮影。

20160718東谷八坂神社の祇園祭は、毎年旧暦6月15日に行われます。大人神輿と子ども神輿の2基が、集落を渡御します。途中、大人神輿は激しく揉まれ、神輿を横倒しにするので「あばれ神輿」として知られます。

道中では、接待を受けた家の庭先で、御礼のお囃子(大漁節など)と踊りが披露されます。

【この日の進行スケジュール】
13:00~ 屋台が出発(安養寺→八坂神社)
14:30~ 宮出し(八坂神社)→渡御
17:30~18:30 弁当(休憩)
18:30~ 渡御
23:30ころ 宮入り(八坂神社)

【メモ】
正午ころ現地入り。拝殿では既に神事が終わり直会中だった。屋台は神社から200mほど離れた安養寺から出る。子供たちが曳き、神社に練り込む。その後は境内に飾り置き、花飾りを人々に分ける。曳いてきた子供たちは、神輿を担いで大人神輿とともに宮出し。大人神輿は、安養寺前で屋根飾りを外す。横倒しは大人神輿のみで、日中は東谷入口の信号交差点で1回、立ち寄った農家の庭先で2回。長老によれば、体力を使うので、昔ほど何度も倒さなくなったとか。それでも、渡御中の神輿を横倒しにするのは珍しいと思う。
見物人は地元の皆さんのみ、カメラマンは市広報さんほか2人。神社前に駐車スペースあり。飲み物などのご接待を頂いた地区の皆さん、ありがとうございました。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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2016/07/09

房総の年中行事展

先週、撮影行の途中に、睦沢町立歴史民俗資料館で開催中の企画展「房総の年中行事」に立ち寄りました。

20160709この企画展は、房総で行われている年中行事を通じて、房総の民俗を考えるユニークな企画です。
盆や正月など、季節ごとに伝わる行事・風習は、地域によって異なります。今では廃れてしまった行事も、新しい行事も、人々の生活に溶け込み、やがて風習となり文化となって受け継がれていきます。

展示は、藁細工などの作品や、風俗を描いた絵画、祭礼の写真パネルなどで、房総の一年を振り返っています。個人的には、1月の「ほうじゃりの俵」「芝原人形・三宝に鏡餅」、8月の「七夕馬」「盆棚つり」など、房総でも見られなくなりつつある行事の展示が、特に興味深かったです。

残念ながら展示図録は用意されていませんが、睦沢町立歴史民俗資料館は、珍しい分野にスポットを当てた秀逸な企画が多いので目が離せません。

企画展「房総の年中行事」は、9月11日(日)まで開催しています。

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2016/07/02

茂原・鯛ちょうちん

茂原・八坂神社の「鯛ちょうちん」を撮影。

20160702【現地案内板の説明】
「茂原八坂神社は元禄2年(1689)当時の上総国長柄郡藻原(現在地)に建立され以来、治水、農業、警大払、火難の神として、天王様の通称で多くの人々の深い信仰を集めている。
祭礼時には神前に鯛を供えて五穀豊穣を祈願する習わしであったがいつの時代にか、この風習はなくなり、これに変わって経木で作られた鯛が奉納されるようになったと伝えられている。
その後、これに因んだ「鯛ちょうちん」が丸家において作られ、祭礼日に店頭に飾られ(る)ようになって以来、氏子はもとより多くの人々に親しまれてきたものである。
この伝統を守り続ける為に昭和45年通町一丁目青年部(育栄会)が茂原郷土民芸品として保存会を作り、この作成にあたっている。
なお、例年の祭礼には参拝者に進呈しており、八坂神社夏祭りには欠かすことの出来ないものとなっている。(鯛提灯保存会)」

【この日の進行スケジュール】
10:00~ 祭典
10:25~ 御霊入れ(神輿・曳太鼓)
10:30~ 参拝者に配布開始
14:00~ 神輿出立(子供)
17:00~ 輪投げ・金魚すくいなど

【メモ】
八坂神社の例祭で配布される「鯛ちょうちん」は、1年かけて手作業で準備される。松を薄く削いだ経木に、版木で鯛の絵柄を刷り、筆で赤く塗り、二つ折りにして尾を糊付けし、形を整えた後、厚紙と針金で作った燭台と組み合わせる。仕上げに、竹棒の先に針金で括りつけて完成。今年は700個を用意した。10時の祭典が始まるころには、鳥居の外まで参拝者の長い列。参拝者は、巫女の修祓を受けて鯛ちょうちんを1つずつ受け取る。玄関に吊るすと無病息災の御利益があると伝わる。
見学者はなく、カメラマンは数人。神社に駐車場なし(市役所Pを利用)。
色々教えて頂いた上、仕上げの作業を20個ほど体験させて頂いた年番総代さん、役員の皆さん、ありがとうございました。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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