河鍋暁斎展
丸の内の三菱一号館美術館で開催中の「画鬼暁斎」展に行ってきました。
河鍋暁斎(1831~1889)は、幕末~明治初期に活躍した狩野派の絵師です。
6歳で浮世絵師・歌川国芳に入門し、9歳で狩野派に転じました。狩野派の正統を引継ぎながら、浮世絵の手法を取り込んだ型破りな作風で庶民の人気を博しました。何でも描くので自ら「画鬼」と称し、河原で拾った生首でデッサンの練習をしたエピソードが残っています。
作品の多くは海外へ流失し、国内ではあまり知られていません。
今回の作品展は、国内外から集めた幕末明治のスター絵師・暁斎と、暁斎の弟子で英国人建築家コンドルの作品を展示しています。メトロポリタン美術館から120年ぶりに帰国した作品など、国内ではなかなか見られない暁斎のユニークな画業を見に、館内は大勢の人で賑わっていました。
個人的には、鳥獣戯画や妖怪をテーマに描いた作品が独特のタッチで面白かったです。
ちなみに三菱一号館美術館は、明治27年に完成した日本初のオフィスビルのレプリカで、明治新政府が招聘したコンドルの設計です。コンドルは、鹿鳴館や旧岩崎邸(現清澄庭園内)、旧古河邸(現古河庭園内)、三井倶楽部なども設計しています。本業の傍ら、暁斎のもとで日本画を学び、暁斎のよき理解者であり支援者だったようです。
画鬼暁斎展は、9月6日まで開催中です。
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