九十九里・田中の虫送り
九十九里町田中集落で行われた「虫送り」を撮影。
かつては日本中の農村で見られた「虫送り」。田中集落でも昭和30年代まで行われていました。
子どもたちがリヤカーを引いて家々を回り、稲藁や麦稈を集め、竹を切って松明を作りました。夜、灯りに集まる虫の習性を利用して、赤々と燃える松明を持って田の畦を「なんむしょおくっど いねたち虫 さきん立たせて よろずのむしょおくっど」と唄いながら歩いて稲につく虫を集め、最後は高く積み上げた櫓に火を放って、害虫を退治して農作物を守りました。
田中の虫送りは、専業農家の減少で耕作放棄地が増え、集落の活気を取り戻したいと立ち上がった「田中交遊倶楽部」の皆さんが「虫送り祭」として復活させ、今年で11回を数えます。
この日のために麦を育て、櫓作りに使い、手作り麦まんじゅうを作り、菓子を入れる「つとっこ」を作ったりして、子どもたちにムラの伝統行事を受け継いでいます。
九十九里地方で行われていた「虫送り」を今に伝える、貴重な活動です。
【この日の進行スケジュール】
18:00~ 開会式
18:10~ ジャズ演奏(ヒダックス)、歌謡ショー
19:00~ 九十九里黒潮太鼓、風の盆愛好会
19:30~ たいまつパレード
19:40~ やぐら点火
20:00ころ 終了
【メモ】
かつては今の宮島親水公園の所に櫓(5m)が組まれた。現在は、1週間前に、公園先の倶楽部の耕作地に大櫓(15m)と小櫓(10m)の2基が組まれる。たいまつパレードは、子どもたちが松明を持って会場を出発→反時計回りに田んぼの畦道を回り→途中のたき火で松明に点火→そのまま畦道を虫を追いながら歩き→会場に戻る。やぐら点火は、まず子どもたちが小櫓に点火し、小櫓が燃え崩れたころ、大人がロープで大櫓中央に点火する。竹のはぜるボンボンという音と火の粉、そして何よりものすごく熱い。
見物人は集落の皆さんが多数、カメラマンはプロを含めて10人くらい。駐車場は親水公園か妙覚寺を利用。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。
| 固定リンク | 0
この記事へのコメントは終了しました。
コメント