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2015/07/25

九十九里・田中の虫送り

九十九里町田中集落で行われた「虫送り」を撮影。

20150725かつては日本中の農村で見られた「虫送り」。田中集落でも昭和30年代まで行われていました。

子どもたちがリヤカーを引いて家々を回り、稲藁や麦稈を集め、竹を切って松明を作りました。夜、灯りに集まる虫の習性を利用して、赤々と燃える松明を持って田の畦を「なんむしょおくっど いねたち虫 さきん立たせて よろずのむしょおくっど」と唄いながら歩いて稲につく虫を集め、最後は高く積み上げた櫓に火を放って、害虫を退治して農作物を守りました。

田中の虫送りは、専業農家の減少で耕作放棄地が増え、集落の活気を取り戻したいと立ち上がった「田中交遊倶楽部」の皆さんが「虫送り祭」として復活させ、今年で11回を数えます。
この日のために麦を育て、櫓作りに使い、手作り麦まんじゅうを作り、菓子を入れる「つとっこ」を作ったりして、子どもたちにムラの伝統行事を受け継いでいます。
九十九里地方で行われていた「虫送り」を今に伝える、貴重な活動です。

【この日の進行スケジュール】
18:00~ 開会式
18:10~ ジャズ演奏(ヒダックス)、歌謡ショー
19:00~ 九十九里黒潮太鼓、風の盆愛好会
19:30~ たいまつパレード
19:40~ やぐら点火
20:00ころ 終了

【メモ】
かつては今の宮島親水公園の所に櫓(5m)が組まれた。現在は、1週間前に、公園先の倶楽部の耕作地に大櫓(15m)と小櫓(10m)の2基が組まれる。たいまつパレードは、子どもたちが松明を持って会場を出発→反時計回りに田んぼの畦道を回り→途中のたき火で松明に点火→そのまま畦道を虫を追いながら歩き→会場に戻る。やぐら点火は、まず子どもたちが小櫓に点火し、小櫓が燃え崩れたころ、大人がロープで大櫓中央に点火する。竹のはぜるボンボンという音と火の粉、そして何よりものすごく熱い。
見物人は集落の皆さんが多数、カメラマンはプロを含めて10人くらい。駐車場は親水公園か妙覚寺を利用。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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2015/07/19

あさひ砂の彫刻美術展2015

旭市の矢指ケ浦海岸で開催中の「あさひ砂の彫刻美術展2015」を妻と見に行ってきました。

20150719市町村合併した新・旭市を盛り上げようと2006年に始まり、ふるさとイベント大賞優秀賞にも選ばれたイベントです。毎年、市民ボランティアによる実行委員会が主催して、今年で10年目を迎えました。

今回の出展は、招待製作者(3m級)が、サンドアーティストの保坂俊彦さん、松木由子さん、王松冠さん(台湾砂像協会理事長)、尾張砂像連盟さん、高知県黒潮町砂像連盟さん、千里浜砂像協会さんの6組、コンテスト部門(1.8m級)が15チームでした。

招待製作者は、全国の大会で活躍中の皆さんで、その作品は砂とは思えない完成度の高さです(写真は、保坂さんの作品「鼓動」)。
メイキングVTRを見ると、型枠に砂を入れて水で固めながらピラミッド状に数段重ね、コテやへらで削り、細かな部分はストローで砂を吹き飛ばしながら彫り、最後に安定剤を吹き付けて完成するようです。なるほど。

夜7時、砂像が一斉にライトアップされると、昼間のモノトーンから色彩の世界へと変わります。
このイベントは見て聞いて五感で感じることを大切にしていて、これまでも花火やレーザーを使った光の演出とのコラボが行われてきました。
今年は、影絵作家・酒井敦美さんの「光の切り絵」(野外幻灯)と、YouTubeで活動しているボーカリスト・Uruさんの歌声に、アロマが焚かれた光と香りのコラボで、とても癒やされました。

あさひ砂の彫刻美術展は7/5~8/7まで。この期間中、ライトアップは7/18~31の19時~22時、光の切り絵は7/19~24の19時半~21時半まで行われています。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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2015/07/12

機材の整理

久しぶりに防湿庫のカメラ機材を整理しました。

これまで、祭事撮影はD300(2台)にDXレンズ群(10.5/2.8、12-24/4、17-55/2.8)とVR70-200/2.8を使い、まったりとした撮影はDf(銀)にf1.8単焦点(20mm、28mm、35mm、50mm、85mm)を使っていました。
長年酷使したDXの機材は痛みが激しく、主力のストロボSB-800は補修部品在庫払底の情報も聞こえ始め、そろそろ更新どき。今後の写真との付き合い方を考え、この機会にFXシステムへ更新することにしました。

で、処分したのは、D300(2台)とDXレンズ3本、ストロボSB-800(2台)・SB-600、それに稼働率の低いGR Limited Edition、古いContax G2(フィルム)+プラナーT*45/2・ビオゴンT*28/2.8でした。
いつもの中野F店に持ち込み、代わりにDf(黒)と24-70/2.8G(VR不要なので旧モデル)、SB-910と娘用コンデジを調達。あ、SD-9を買い忘れた…

DXシステムに不満があったわけではないので、D40とキットレンズは残留です。ちなみに、FXになったからといって自分の写真が変わる…なんてことはありません(たぶん)。

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2015/07/11

睦沢町伝統芸能発表会

睦沢町の睦沢ゆうあい館で行われた「第11回睦沢町伝統芸能発表会」を見に行ってきました。

20150711睦沢町の伝統芸能の保存と伝承を目的として、毎年、睦沢町伝統芸能保存団体連絡協議会が主催して行われています。

出演は、上市場八坂神社子ども囃子保存会、佐貫季寄保存会、白子町から特別出演の南日当獅子舞保存会、大上ふるさと運動実行委員会、妙楽寺ぜんぜんご保存会の5団体でした。

今回のお目当ては佐貫季寄と妙楽寺ぜんぜんごです。
佐貫季寄は、江戸末期~明治初期に芸能一座(中山連)が歌舞伎芝居の幕間に踊ったのが始まりで、菅笠を手に福娘が五穀豊穣を願う農村の踊りです(町指定無形民俗文化財)。
ぜんぜんごは、堤防や道普請の際に村人が総出で地固めに踊ったもので、お洒落の女衆と銅鼓(一斗缶)を叩く男衆が、三歩進んでは二歩下がり、行きつ戻りつしながら踊るので「前々後(ぜんぜんご)」だそうです。現在では妙楽寺地区にのみ伝わり、千葉県内では他に例を見ません。

この二つの芸能は、地元の田植えや大きな行事の際に踊られるほかは、なかなか見る機会がありません(写真は「妙楽寺ぜんぜんご」、Df+AF-S VR 70-200/2.8Gでノーストロボ手持ち撮影)。
特別出演の「南日当の獅子舞」は、亀と舞う(遊び疲れて眠る獅子に道化がちょっかいを出し、竿で釣り上げた獅子が手足を広げて天高く舞い上がるお話)で、こちらはいずれ現地で撮影したいと思います。

会場(ゆうあい館)は4割ほどのお客さんで、地元のお年寄りが出演団体の熱演に拍手を送っていました。
※佐貫季寄の詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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2015/07/06

柏・郷土資料展示室

八千代から柏に移動して、柏市郷土資料展示室へ。

20150706こちらのお目当ては、型絵染の人間国宝・芹沢銈介の作品です。

芹沢銈介(1895-1984)は、静岡市の生まれ。東京高等工業学校(現在の東京工業大学)を卒業後、柳宗悦に師事。染色家として活躍し、44歳のとき、沖縄の紅型(びんがた)と風物に感銘を受けて型染めに傾倒します。
従来の染色の枠組みにとらわれない新鮮で創意あふれた作品は内外から高い評価を受け、61歳で人間国宝に認定されました。

かつて柏には、芹沢作品の収集家・砂川七郎氏のコレクションを公開した砂川美術工芸館(柏市呼塚)がありました。静岡の芹沢銈介美術館、東北福祉大学の芹沢銈介美術工芸館とともに知られましたが、平成19年6月に惜しまれながら閉館しました。

その砂川コレクションは、平成20年から柏市沼南庁舎(旧沼南町役場)に併設された郷土資料展示室で公開されています。
型絵染の屏風、着物、のれん、本の装幀など、明快で温和な作風の芹沢作品を常設展示するほか、定期的に企画展が催されています。

展示室は、入って左が砂川コレクションの美術コーナー、右が石器時代から近代までの出土品などを展示した歴史コーナーになっています(上の写真)。
旧・砂川美術工芸館にあったミュージアムショップがあれば嬉しかったのですが、今度はぜひ静岡や仙台の美術館にも行ってみたくなりました。

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2015/07/05

八千代・星襄一常設展示室

広報やちよで八千代市立中央図書館・市民ギャラリーが7月1日にオープンした記事を見つけたので、雨の中、妻と行ってきました。

20150705お目当ては、国際的な版画家・星襄一(1913-1979)の作品を集めた常設展示室です。

作家は、新潟県の生まれ。台湾で教鞭を執った後、故郷に戻って謄写版印刷業を営みながら孔版画を始めました。43歳で武蔵野美術学校(今の武蔵野美大)を卒業し、木版画を独学で習得。
小さな鎌型に研ぎ出した刀で凹版として彫り、彫ったへりをバーナーで焼き崩す独特の「彫り」と、金箔押しの伝統技法と油性インクの現代技法を巧みに融和させた「刷り」によって、象徴的な美を創出した作品で世界中のファンを魅了しました。

晩年は八千代市に移り住み、没後に全作品と版木が市に寄贈されました。旧市民会館の「星襄一版画展示室」で常設展示されていましたが、市民会館の改築に伴い平成23年に閉館。
再開が待たれましたが、平成27年7月1日にオープンした中央図書館・市民ギャラリーで常設展示されています。

展示室は、ほどよい照明とソファーが置かれ、静かな美術館といった雰囲気。作品集などが備え付けてあるのもうれしいところです。
喫茶コーナーにはミュージアムショップもあって、作品のポストカードなどが購入できます。

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