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2015/02/28

千葉・子安神社の湯立神楽

船橋から千葉市花見川区へ移動し、子安神社の湯立神楽を撮影。

20150228b子安神社は、三山の七年祭で妻役を勤める古社です。毎年2月28日の湯立神楽祭では、室町期から続く湯立神事と、江戸後期から続く十二座神楽が奉納されます。

神楽は、「街神(ちまたのかみ)六合堅目舞(庭掃き舞と天狗の舞)・老翁悪神祓舞・千箭発弓(ちのりはっきゅう)舞・湯笹露祓舞・天狐乱れ舞・稲倉魂神(いねくらしこめのかみ)五穀種蒔舞・八重事代主神釣舞・石凝姥(いしこりどめのかみ)鍛冶舞・天鈿女神遊行舞・大山祗神悪魔退散舞・豊楽餅投げ舞」の十二座が伝わっています。

舞と囃子は畑町子安神社神楽連が伝統を受け継いでいます。

【この日の進行スケジュール】
14:00~15:00 神事(拝殿)
15:30~16:30 神楽奉納(二座)
街神六合堅目-庭掃き舞→八重事代主神釣舞
16:50~17:10 湯立神事
17:20~17:30 神楽奉納(一座)
豊楽餅投げ舞
17:30ころ 終了

【メモ】
正午ころ現地着。待機中、神職から神社や神楽の現状について話を伺う。神楽の途中で湯立神事があり、最後に餅を撒いて終了。神楽連は、舞手も笛も高齢な上、7人で回している。この日も人手不足で演目が限られ、午後3時半に時間をずらして「庭掃きの舞・八重事代主神釣舞(大黒様)・豊楽餅投げ」の三座のみを奉納。舞時間は短く、長い休憩を入れながらの奉納だった。氏子の長男に限るので後継者がおらず、継承が危ぶまれる。神楽殿は床が高く、正面・左右が開く。囃子方(大太鼓と鼓)は奥に並ぶので、脚立があれば左右からの撮影は容易(脚立は3段を推奨)。見物人は40人前後で、カメラマンは10人くらい。神社に駐車場あり。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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船橋・大仏追善供養

船橋市本町の不動院で行われた「大仏追善供養」を撮影。

20150228a【現地案内板の説明】
「船橋の海は、江戸時代初めころから半ば近くにかけて幕府に魚介を献上する、「御菜浦」とされた好漁場でした。
元禄16(1703)年の大地震による海底地形の変化などで、翌年から魚介の献上は中止され、代金納になりました。その後この漁場を巡って、近隣(堀江・猫実・谷津・鷺沼など)の漁師たちと多くの争いが起こりました。
文政7(1824)年、船橋村と猫実村(現在の浦安市)との漁場の境界を巡る争いが続いていた時、船橋漁師の占有漁場に他村漁師の船が侵入してきました。その中に、一橋家の幟を立てた船があり、乗っていた侍を船橋の漁師が殴打し、幟を奪ってしまいました。大きな事件であったことから、船橋の漁師総代3名が入牢させられました。1名は牢死し、1名は牢を出て間もなく死亡しました。そのため、延享3(1746)年の津波による溺死者と、漁場を守り死んでいった漁師総代の供養をあわせて行うようになったのです。
大仏追善供養は事件の翌年の文政8(1825)年以来、毎年1月28日(明治以降は2月28日)に行われるようになりました。本来この大仏は、津波によって溺死した漁師や住民の供養のため、延享3年に建立された石造釈迦如来坐像です。供養の日には、炊きあげた白米の飯を大仏に盛り上げるようにつけます。これは牢内で食が乏しかった苦労をなぐさめるためといわれています。大仏の西側には漁師総代2名の供養碑が建てられています。」

【この日の進行スケジュール】
10:00~ 追善供養
読経→焼香→飯盛り
10:30ころ 終了

【メモ】
毎年2月28日に船橋漁協の主催で行われる。不動院(真言宗)の門前に鎮座する大仏の顔や肩、胸に飯を盛るように付ける。境内でなく門前にあるのは、地元の話では、建立の趣旨から宗派に関係なく誰でも参れるようにとのことらしい。9時ころから漁協関係者が準備を始め、10時に不動院と他寺の僧侶が二人で読経して焼香。漁業関係者が焼香し飯盛り。大仏に盛った飯を食べると風邪をひかないとされる。
この日は土曜日で見物人は30人前後と多く、狭い門前は人でいっぱい。カメラマンも多い。不動院に駐車場なし(付近のコインP利用)。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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2015/02/21

地域伝統芸能まつり

渋谷のNHKホールで行われた「第15回地域伝統芸能まつり」(初日)に行ってきました。

20150221伝統芸能の保存・伝承を通じて地域の活性化を図る目的で、毎年、二日間にわたり開催されます(文化庁、観光庁が後援)。

今年のテーマは「咲(わら)う」。出演は、江差餅つき囃子(北海道・江差)、御嶽神楽(大分・豊後大野)、蔵王のはねおどり(広島・福山)、古典芸能の狂言「鬼瓦」(人間国宝山本東次郎氏)、根知山寺の延年(新潟・糸魚川)、大脇の梯子獅子(愛知・豊明)で、各団体20分ずつの持ち時間でした。

神楽ファンとしては、豊後大野の「御嶽神楽」(国重文)が興味深かったです。演目は15番「貴見城」で、海幸彦と山幸彦の神話の一場面。重い衣装と面をつけ、複数の舞手が一糸乱れず跳ねたり踏み込んだり、大きな所作で激しく舞い続けるのが圧巻です。房総の十二座神楽とは全く異質なので、いつか現地で見たいと思いました。

「根知山の延年」は、長生きを願う十演目の芸能(歌と舞)の総称で、稚児による「鏡の舞」と「獅子舞」(才蔵とのからみ)を披露。山村集落に残る珍しい趣旨の芸能でした。
「大脇の梯子獅子」は、通常12mの梯子を6mに短縮しての演技。肩車した二人立ちの獅子が高所で激しく舞う度、満員の観客から拍手喝采でした。やはり、梯子獅子は人気があります。
※場内は撮影・録音厳禁なのでいずれも写真はありません。

司会(水谷アナと竹下景子さん)の上手さ、来賓挨拶(高市早苗総務相)、進行や大道具セットの見事さはさすがNHKでした(笑)。

普段、房総を撮影フィールドにしている関係で、どうしても房総の郷土芸能との対比で見てしまいますが、全国各地には、まだ知らない郷土芸能がたくさんあって興味が尽きません。時々全国に目を拡げて、房総の芸能を見つめ直すとまた新たな発見があったりするので、郷土芸能は奥が深いです。

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2015/02/11

香取・片野の神楽

香取市片野地区で奉納された獅子神楽を撮影。

20150211片野地区に明治期から伝わる伊勢系の獅子神楽で、オビシャ(旧行1月20日、現在はその前の日曜日)と2月初午(二月ビシャ)に、区内安全・厄除け・五穀豊穣を願い奉納されています。

曲は「馬鹿囃子・砂切・布舞・幣束舞・鈴舞・けら探し・悪魔祓い」で、下座と舞は片野神楽保存会の皆さんが伝承しています。

オビシャでは稲荷神社→天神様(新福禅寺)→ヤドで舞を奉納し、2月初午では稲荷神社→ヤドで舞を奉納します。

【この日の進行スケジュール】
16:50~ 片野公民館を出発
17:00~17:30 神楽奉納(稲荷神社)
17:45~18:10 神楽奉納(ヤド)
18:10~ 直会(ヤド)

【メモ】
15時に現地入り。片野公民館では地区役員さんたちが直会中。稲荷神社とヤドを教えてもらう(神楽の詳細情報は得られず)。神社をロケハン後、新福禅寺でしばし待機。地区役員さんは直会が終わると公民館を戸締まりして解散。静まりかえった集落は何も起きなさそうな雰囲気で、催行日を間違えたかと不安になる。16時すぎ、祭り半纏を着た保存会の皆さんがポツポツと公民館に集まり始め、ひと安心。
この日は二月ビシャで、稲荷神社(オビシャの神社と異なる)で舞った後、ヤドで舞い納めて終了。見物人は地元の皆さんが数人、カメラマンは3人。公民館と新福禅寺に駐車可。いろいろ教えて頂いた保存会の皆さん、座敷での撮影を快諾頂いたヤドの皆さん、ありがとうございました。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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2015/02/01

山武市郷土芸能振興大会

匝瑳市で吉崎のサイコロ御奉謝を見学した帰り、山武市成東文化会館で行われた「山武市郷土芸能振興大会」に立ち寄りました。

20150201b山武地域の郷土芸能の保存と伝承・普及活動の一環で、毎年、山武市郷土芸能保存団体連絡協議会が主催して行われています。

出演は、午前が新町囃子等保存会、白幡八幡神社伝承文化保存会、つくも民踊保存会、折戸神楽保存会、二区祭礼会、午後が下町囃子保存会、大富ばやし、やまびこ太鼓、本柏神楽保存会、琴平神楽保存会、宿獅子舞保存会でした。

今回のお目当ては本柏神楽。演目は「翁の舞」と「猿田彦の舞」の二つが演じられました。3月に現地で撮影する前に、舞と囃子を予習することができました。

以前撮影した琴平神楽は「田の神」を披露(写真は、D300+AF-S VR 70-200/2.8Gでノーストロボ手持ち撮影)。宿獅子舞は平神楽を舞い、こちらはいずれ現地で撮影したいと思います。

会場(野菊ホール)は7割ほどのお客さんで、地元のお年寄りが連れ立って、出演団体の熱演に声援を送り、なかなかの盛況でした。

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匝瑳・吉崎のサイコロ御奉謝

匝瑳市吉崎の星宮神社で行われたサイコロ御奉謝(おびしゃ)を撮影。

20150201a毎年2月1日の春季例祭で行われる御奉謝では、古儀にのっとり「粥穂会の神事」が執り行われます。

七地区が御奉謝の年番を持ち回り、年番が正月28日に神饌十二品と祭具一式を用意します。
当日は、神職の式典催行に続いて、昇殿した参列者に膳や酒が順番に饗され、年番渡しが行われます。

年番渡しでは、新旧当番が向かい合い、丁半揃ったところで壺振り役がサイコロを振り、出目で一年を占います。
丁が出たら「豊年万作、区内安全」、半が出たら「浜大漁、商売繁盛」と口上を述べ、勝ち負けはありません。座布団の周囲に置かれた「掛け金」は神社へ納められます。

かつて氏子の人々は、この祭儀が終わるまで、肉や魚を食べることを禁じられていたそうです。

【この日の進行スケジュール】
10:00~ 神事
修祓→祝詞奏上→玉串奉奠
10:30~ 御奉謝
御神酒→吸物→御膳→燗酒→火縄→甘酒→煎花(炒った米)→香の物→年番渡し→満献→酌納め
11:00ころ 終了

【メモ】
本殿と拝殿の間に渡り板を渡して神事催行。続いて、拝殿に蓬莱山を据え、粥穂会の神事に移る。膳が饗されるが、ほとんど箸はつけず、酒と腕に口をつける程度で粛々と進行。竹製のキセルと煙草が配られ、全員で一服するのが珍しい。サイコロ占いは、壺を振るのは1回のみでシャッターチャンスは一瞬。今年は四三の半が出た。新当番に祭具(壺とサイコロ、妙見さまの掛け軸)が引き継がれ、無事に御奉謝が終了。
見物人は地区の皆さんほか2人、カメラマンは3人。リサーチ不足で撮影ポジションに迷いが生じ、サイコロがよく写せなかった。神社に駐車場なし(参道に駐車可)。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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