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2013/11/30

香取・香取神宮大饗祭

香取神宮で行われた大饗祭を撮影。

20131130旧暦10月(神無月)、日本中の神々が出雲に集まり、東国の神々も不在になります。東国鎮護の任に当たる香取神宮の経津主神(ふつぬしのみこと)だけは、神宮を離れることなく、東国三十三国の留守を預かるとされます。

神無月の末日、出雲から戻った東国三十三国の神々は、留守を守る経津主神に報告のため香取神宮に立ち寄ります。その神々を饗応するのが「大饗祭」(たいきょうさい)で、用意されるおびただしい数の特殊神饌は大変珍しいものです。
神々に供える蒸米は、コモを巻いて組み上げた「巻行器」(まきほかい)という器で運ばれることから、古くは「三十三行器之神事」と呼ばれました。

【この日の進行スケジュール】
18:00~ 神事(拝殿前)
祝詞奏上・修祓→献饌→大和舞→神職拝礼
19:00ころ 終了

【メモ】
現在は毎年11月30日に催行。日中、神饌殿で神官が、雌雄一対の鴨をさばいて盛りつけた鴨羽盛、鮭の切り身を盛りつけたトバ盛などの神饌を用意。夜、篝火が燃える中、神饌殿の扉が開かれ、神職から神職へと手渡しで運ばれ拝殿の祭壇に供えられる。神饌が揃うと、若武者役の子供たちによる大和舞が奉納され、最後に神職一同が拝礼して終了。
終了後、祭壇の神饌を見学できる。見学者は栃木の団体など多数、カメラマンは10人ほど。神社に駐車場あり。
この日は新規投入したDfの試し撮りを兼ね、AF-S50mmF1.8G+SB-600で撮影。薄明かりがあればDfの高感度+単焦点で足り、ストロボの出番は少なかった。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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2013/11/17

成田・迎接寺の鬼舞面

成田市下総歴史民俗資料館の企画展「迎接寺の鬼舞面」に行ってきました。

20131117旧下総町冬父(とぶ)の迎接寺(こうしょうじ)は、平安初期に創建された古寺で、かつて鬼面判断法会(鬼の舞)が伝わっていました。

もとは平安中期に高僧源信が地獄を巡る霊夢を見て12枚の鬼面を彫り、観音菩薩が衆生を救うために三十三身に変化することにちなみ、33年に一度「鬼の舞」を行ったのが始まりとされます。
地獄に落ちた亡者(幽霊)が閻魔大王の責め苦に苦しみ、最後は観音菩薩に救われる仏教劇で、広済寺(横芝光町)の「鬼来迎」(国重文)より問答や台詞に重きが置かれていたそうです。

江戸期に三度の大火で記録を焼失し詳細は不明ですが、戦国期の永禄7年(1564)から昭和22年(1947)まで13回行われた記録が残っています。
ただ、昭和22年にはすでに古い台本が失われ、古老や住職から聞き書きして新しく台本を作り、地方の劇団が演じたので本来の内容とはかなり異なったようです。

舞は昭和22年を最後に廃絶し、次の昭和55年(1980)には面13枚(1枚は後世の追加)と衣装の公開だけでした。今年は本来の開催年に当たり、面13枚が公開されています。

古い面たちは、どれも迫力があり、本来の出番がないのが悔しそうに見えました。今回は衣装の展示がないのが残念ですが、詳細な説明と分かり易い台本(ダイジェスト版)のおかげで、かつて舞われた重厚な仏教劇が目に浮かぶようでした。

この企画展は下総歴史民俗資料館で12月15日(日)まで開催中です。

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2013/11/10

東金・北之幸谷の獅子舞

東金市北之幸谷地区に伝わる獅子舞を撮影。

20131110【現地案内板の説明】
「二人立ちの獅子舞で伊勢の代神楽の流れである。毎年二月の初午の日、旧九月十九日、十一月十五日に堀之内の稲荷神社の神前に奉納され、次で氏子の各家庭を悪魔払いと称して廻りながら舞う。前には同夜境内に舞台を特設して様様の獅子芸、村芝居、手踊などを上演している。
舞方は襦絆、軽袗姿で獅子頭を冠り、演目には『平神楽、大狂、四ツ足、玉釣、蛇狂、蛙狂、梯子登り、おそめ、岡崎、剣の舞、鳥刺、和唐内』などがある。平神楽では幣束、神楽鈴を採物とする。また面形には『おかめ、ひょっとこ、白狐、医者その他』が保存されている。楽器は『篠笛、横笛、締太鼓、小鼓、大鼓、鉦、大胴』で編成し『四丁目、中山、鎌倉』などの囃子も伝えている。
芸能集団の名称は「本地獅子連中」(旧称)といい氏子地域の堀の内、宮ノ前に在住する十八才より三十四才までの男性が主体であり、以前は後継者は長男に限られていた。
産土神稲荷神社は社伝によれば一六七一(寛文十一)年の勧請といわれるが、芸能の起源については不明である。現在の型は九十九里町西野より伝授され、その交流は今におよんでいる。」(原文のまま)

【この日の進行スケジュール】
13:00~ 北之幸谷区秋祭り
宮城餅つき唄→獅子舞(四つ足)→フラダンス→踊り→お囃子→踊り→フラダンス→踊り→獅子舞(蛇狂い)→踊り→踊り→獅子舞(玉釣り)→踊り→踊り→フラダンス→獅子舞(梯子登り)
15:45ころ 終了

【メモ】
現在は北之幸谷区の秋祭り(隔年10月)で演じられる。平成23年は中止だったので4年ぶりの開催。本来は10月26日(土)の予定が台風でこの日に順延。妙徳寺境内の特設舞台で「四つ足」「蛇狂い」「玉釣り」「梯子登り」が披露された(天候を睨みながらの進行で「平舞獅子」はカット)。梯子登りは、通常2組のところを4組の獅子が登り、最後に一斉に紙吹雪を吐いたのが圧巻だった。
舞台正面に桟敷席、左袖に花道と梯子があり、撮影は望遠が吉。見物人は地元の皆さんが数十人、カメラマンは広報さんほか6人。駐車場は妙徳寺にスペースあり。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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2013/11/09

九十九里・屋形獅子舞

九十九里町で行われた屋形獅子舞大会を撮影。

20131109屋形獅子舞は、正徳元年(1711)、夷大明神の遷宮祭で獅子舞を奉納し、五殻豊穣・浜大漁を祈願したのが始まりと云われています。

時代とともに芸獅子の演目が増え、現在は「三番叟」「序の舞」「平獅子(布舞・御幣の舞・鈴の舞)」「下手」「相生」、芸獅子として「四つ足」「玉取り」「蛇」「花かがり」「蜘蛛」、狂言として「伊勢参り」「鳥刺し」「和唐内」、囃子として「屋形囃子」「中山囃子」「馬鹿囃子」など、多数の演目が伝わっているのが特徴です(町無形民俗文化財)。

郷土の芸能を保存伝承するため、不定期に発表会が開催され、この日は12年ぶりの獅子舞大会となりました。

【この日の進行スケジュール】
9:00~12:10 午前の部
剣の舞→平神楽→龍玉獅子→(須原の羯鼓舞)→蛇獅子→大漁節(婦人会)
12:30~20:40 午後の部
花係蝶→馬鹿囃子→玉取岡崎→平神楽→四つ足→中山囃子→梯子獅子→(須原の羯鼓舞)→花係蜘蛛→平神楽→和唐内→平神楽→鳥刺し→狐岡崎→馬鹿囃子

【メモ】
本来は10月26~27日(土・日)の予定が台風で11月9~10日(土・日)に順延。屋形区民会館前の特設舞台で長時間にわたり様々な演目が演じられた。蝶や蜘蛛を使った芸獅子が珍しい。平神楽や狂言ものでは子供たちが多く参加(上の写真)。途中から雨になったが地元の皆さんは帰らず見守り、盛んにおひねりを投げ、地元の獅子舞に対する愛着を強く感じた。須原羯鼓舞保存会も数演目の羯鼓舞を披露。
舞台正面に桟敷の客席、左袖に花道があり、撮影は左右サイドから望遠を多用。長丁場と寒さ+雨で予想以上に機材のバッテリーと体力が消耗。見物人は地元の皆さんが多数、カメラマンは十数人。駐車場は屋形区民会館周辺に臨時駐車場3か所あり。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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2013/11/03

富津・不入斗六所神社獅子神楽

富津市不入斗(いりやまず)の六所神社で奉納された獅子神楽を撮影。

20131103不入斗は百戸にも満たない小さな農村集落です。
鎮守・六所神社は、伊弉諾尊・伊弉冉尊をはじめ六柱の御祭神を祀っています。春祈祷(2月11日)、小祭(4月3日)、例祭(11月3日)では、伊勢系二人立ちの獅子神楽が奉納されます。

天岩戸開きをもとにした「ヤマ」(三角形を描くように歩きながら舞う)、「マエカガリ」、「御幣の舞」(悪魔を祓い泰平楽を願う唄が入る)、「鈴の舞」(左手に御幣、右手に鈴を持って舞う)、「クルイ」の5演目が伝わります。この獅子は雌獅子で、前半部分の柔らかな女踊りの所作が特徴とされています。

戦時中の中断を経て、昭和20年代に復活しましたが、後継者難に苦しみました。昭和52年、地元の有志30人が不入斗同志会を作り、獅子神楽舞とお囃子を伝承しています。

【この日の進行スケジュール】
15:00~ 拝殿神事
15:30~ 獅子神楽奉納
16:00ころ 終了

【メモ】
古くは「いりやまずのまち(祭)」は獅子神楽や花火でたいそう賑わったという。拝殿神事は、湊八雲神社の神職が催行。境内に緋毛氈を敷き、不入斗同志会の皆さんが獅子神楽を奉納。マエカガリでは柔らかな所作で雌獅子らしさを見事に表現していた(上の写真)。見物人は地元の皆さんや特養ホームのお年寄りなど十数人、カメラマンは富津市広報さんほか2人。神社前に駐車スペースあり。詳しく教えて頂いた同志会の皆さん、ありがとうございました。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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