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2013/01/26

印西・浦部の初囃子

印西市の浦部地区に伝わる初囃子を撮影。

20130126浦部地区では、古くから、毎年1月最終の土~日曜日、阿夫利神社の御神体を小さな背負いみこしに納め、お囃子を奏でながら地区内を廻り、五穀豊穣と区内安全を願う風習がありました。

初日は、総鎮守・阿夫利神社から宮内区内を巡行。大榊の先触れ、行列(万灯、背負いみこし、お囃子、宮司、世話人)が区内を回りました。「御宿」と呼ばれる数軒の当番家では、床の間に阿夫利神社の掛軸を飾って神事が行われ、酒食のもてなしがありました。みこしの背負い役は御宿で交代し、夜は「こもり」といって永治プラザで駐泊しました。
二日目は、本郷区~白幡区内を巡行。前日と同様に区内を回り、夜遅くに車で阿夫利神社に還御しました。

2010年からは、毎年1月最終土曜日に浦部鳥見神社から出発する形に簡素化して行われています。

【この日の進行スケジュール】
10:00ころ~ 準備(縄ない、万灯作り、みこし)
13:50~ 神事(浦部鳥見神社)
14:00~ 地区廻り
浦部鳥見神社→宮内区→宮内青年館→本郷区→永治プラザ→白幡区
21:00ころ 還御(阿夫利神社)

【メモ】
背負いみこしには、阿夫利神社の御神体(2つの青石)の一つを納める。万灯の花飾りは、地元の人々が厄除けに持ち帰っていた。一日で廻るので、かつて14軒あった御宿は各区集会所での簡単な直会に変更されている。宿では、世話役らがみこしの担ぎ手を胴上げのように高々と揚げ、そのまま頭から担ぎ込む(理由は不明)。
行事は若者たちが相談しながら主体的に進行。宮司さんによれば「他所に出て行っている者が多いが、祭りの日には戻ってくれる」とのこと。
見物人は地元の皆さんのみ、カメラマンは11人。鳥見神社に駐車場なし(観音寺or宮内青年館or永治プラザのPを利用)。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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2013/01/19

南房総・川口のミノコオドリ

南房総市千倉町川口に伝わるミノコオドリを撮影。

20130119川口のミノコオドリは、旧千倉町川口地区のおびしゃ(毎年1月19日)と千倉の祭り(毎年7月)の前日に奉納されます。

この日はおびしゃで、午前中に鹿嶋神社の境内で湯立を行い、午後からミノコオドリが奉納されました。

踊りは、肩からシタタレ(白布)をかけた浴衣姿の女性たちが、左手にオンベ(御幣)、右手に団扇を持ち、長老たちの歌・太鼓に合わせて、輪になって回りながらゆるゆると踊ります。

踊り手は、小学生の女児が務めますが、現在集落の小学女児は3人のみ。この日は4年生の一人が参加して、あとはベテランのご婦人方が加わって行われました。

南房総に残るミノコオドリは、洲崎(館山市)・波左間(館山市)・川口(旧千倉町)の3か所となりました。いずれも踊り手の子どもが減って伝承が危ぶまれ、国の記録を講ずるべき無形民俗文化財に選択されています。

【この日の進行スケジュール】
13:30~ ミノコオドリ
鹿嶋神社→区内8ヶ所→ミヤモト家
15:00ころ 終了

【メモ】
おびしゃは区内7つのダイ(組)が年番で行い、当番のダイ(ビシャダイ)は2月3日の節分(虚空蔵様の祭り)で交代(とうわたし)。神社下に「ミヤモト」(かつてはセイメイノマツリヤシキ)と呼ばれる家があり、代々その当主が神社の儀式を司るしきたり。ミノコオドリの笛もミヤモト分家が担当したが、現在は笛は途絶えている。歌はテープに合わせて長老たちが歌っていた。地区の役員宅や弁天様などを廻って奉納し、最後にミヤモト家で踊り納める。
地元の人以外に見学者はなく、カメラマンは報道を含め7人。神社そばの高徳院に駐車場あり。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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2013/01/13

南房総・久保の神楽

南房総市旧千倉町の久保地区に伝わる獅子神楽を撮影。

20130113bかつて久保区では、1月15~17日の三日間おびしゃが行われ、若者による獅子神楽が舞われていました。
初日と二日目は小獅子が各戸を回って厄除けを祈願し、御礼に米を1升ずつもらいました(毎戸舞)。最終日は当家(とうや)でおびしゃが行われ、大小獅子が獅子神楽(本神楽)を舞いました。

時代とともにムラの若者が減り、獅子神楽舞も10年間ほど中断。おびしゃも集会所での直会のみになりました。平成20年、小さい頃に見た獅子神楽を復活させたいとの思いで、青年会の有志が復活させました。現在、おびしゃは1月15日に近い土~日曜の二日間行われ、初日に毎戸舞、二日目の夜に地区内の久保神社の境内で本神楽が舞われています。

【この日の進行スケジュール】
18:00~ お囃子(鳥居下)
18:15~ 獅子神楽(久保神社)
やま→さがりは→幣束→鈴→おこり
18:45ころ 終了

【メモ】
館山・西川名→久保24kmを50分で移動。本神楽は、おびしゃを終えた長老たちが18時ころ久保神社に移動した後、境内で青年会が大獅子で舞う。伊勢系の二人立ち獅子舞で、お囃子は笛1・太鼓1が神楽櫃を置いて演奏。舞の合間に長老たちが謡いを入れる。夜に舞う獅子神楽は幻想的。集落に子どもが少なく、後継者不足が悩み。見物人は地元の皆さんのみ、カメラマンは3人。神社に駐車場なし。詳しく教えていただいた青年会の皆さん、ありがとうございました。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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館山・厳島神社の湯立神事

館山市西川名の厳島神社で行われた湯立神事を撮影。

20130113【現地案内板の説明】
「厳島神社の湯立神事は、毎年一月十五日、港の各漁船に大漁旗をうちなびかせ、厳島神社の境内で、神官・漁業会・青年会・区の各役員によって執行される。神官の祝詞奏上から始まり、玉串奉奠、湯もどしの儀式の後、湯立の禊がはじまる。境内に設けられた二個の大釜にたぎる湯花(湯玉)を、用意された御湯笹でかきまわし、まわりにふりかけることから始まる。初めは小さくゆっくりと、だんだん大きく速く御湯笹を振って、参会者全員にふりそそぐ。最後に参詣人各自は持参の手拭いなどを釜の湯に浸して家に持ち帰り、家族の顔や手足を清め、家内安全、無病息災を祈り、また、大漁を祈願する。」

【この日の進行スケジュール】
14:30~ 神事
献饌→祝詞奏上→御祓い→玉串奉奠→湯もどしの儀
14:55~ 湯立の禊
15:00ころ 終了

【メモ】
現在は1月15日に近い日曜日に催行。江戸末期から続き、地元ではシオマツリという。西川名ではこの日はフナドメとして漁を休み、行者が一年の漁を占った。現在は大漁旗を掲げて祝う風習は廃れた模様。湯戻しの儀式で神職が湯に神饌の御神酒と塩を投入してかき混ぜる。湯は海水でなく水道水とのこと。禊は、白装束の神官役(「道彦」という)が、四隅に斎竹を立て注連縄を張った中で行う。御湯笹で湯玉を激しく振り撒き、竹持ち役がく斎竹を大きく揺さぶる。最後に地元の皆さんが湯にタオルを浸して持ち帰っていた。見物人は40人前後、カメラマンは報道ほか多数と盛況。神社に駐車場なし(漁港入口の民家に有料駐車可)。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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2013/01/06

匝瑳・山桑のつなかけ神事

匝瑳市・山桑の稲荷神社で行われた「つなかけ神事」を撮影。

20130106旧八日市場の山桑地区では、新しい年の始め(毎年1月第一日曜日)に、集落の人々が稲荷神社に集まり、藁で大注連縄(大蛇)を作って悪霊除けと五穀豊穣を祈願します。

藁の大蛇は、芯縄3本を藁で巻き、外周を縄で締めて一匹を作ります。長さは概ねひげ3m、胴体6.4m、尾2.5mです。昔は、当番区の農家で作って持ち寄ったそうですが、専業農家が減り、神社での共同作業に変わりました。

神社には、江戸期の安永六年(1777)に作られた藍染友禅の大きな幕(縦2.47m、横10m)が伝わります(市有形文化財)。編み上げた藁の大蛇は、この幕とともに拝殿に奉られて、神職による神事が行われます。

神事が終わると、大蛇は鳥居前の木に張り渡され、稲荷神社の護符を打ち込んで、新しい年の五穀豊穣を願い、集落の悪霊除けとします。

【この日の進行スケジュール】
8:00~ 藁蛇作り、幕張り(拝殿)
12:30~13:00 神事
13:00~ つなかけ
14:00ころ 終了

【メモ】
午前8時に現地着。元旦からの寒さが和らいだものの、手水舎の水は凍結。縄ないの作業から見学。昔は、集落の子どもたちが完成した藁の大蛇を引き回して山に隠し、大人たちが探し出して取り返した。隠した大蛇が見つからなければ見つからないほど、その年は豊作とされたとか。今は子どもがおらず、大人のみの行事で高齢化が進んでいる。神事は松山神社の神職が催行。祝詞に「おびしゃ」が謳われていたので、御歩射祭(旧行1月11日)を兼ねていると思われる。
見学者はなく、カメラマンは6人。神社前に駐車スペースあり。詳しく教えていただいた地区の皆さん、区長さん、ありがとうございました。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に掲載しています。

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2013/01/01

2013年を迎えて

Turu7
明けましておめでとうございます。

拙ブログは、今年で9年目に入りました。本宅サイト「ぐるり房総」も、昨年末に15周年を迎えました。たくさんの皆さんに見ていただき、心から感謝しています。

「ぐるり房総」では、2002~2008年は年間3~5か所、2009年は39か所、2010年は58か所、2011年は他県を含めて40か所、2012年は他県を含めて41か所の祭事を訪れました。
まだまだ訪れたい地域や祭事はたくさんあり、これからもマイペースで回る予定です。

今年も、地域の伝承行事を見せて頂いているという謙虚な気持ちを忘れずに、地元の皆さんと一緒に楽しむことができればいいなと思っています。

新しい年も拙ブログと本宅サイト「ぐるり房総」をどうぞよろしくお願いします。

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