江戸城・諏訪の茶屋
旧二の丸は、将軍側室や女官たちが暮らした二の丸御殿があったところです。
二の丸御殿にも「表」や「奥」があって、多くの居館が建ち並んでいました。古地図を見ると、東照宮も祀られていたようです。
御殿の庭は、小堀遠州の造園で、築山を背景にして池が配され、公式行事で舞われた能の水舞台がありました。
現在、二の丸御殿のあった辺りは、諏訪の茶屋と日本庭園になっています。
諏訪の茶屋(上の写真)は、優雅な外観の純和風建築です。もとは江戸城の吹上御庭(現在の皇居)にありましたが、皇居東御苑の整備に伴って今の場所に移されました。
現在の建物は、明治45年(1912)に再建されたもので、明治期の優れた和風建築の一つです。
日本庭園は、小堀遠州の造園を基に、拡張整備されたものです。築山から流れ落ちる滝や池が効果的に配されて、紅葉がきれいでした。
ここから天神濠を通り、平川門から外に出ます。
平川門は、江戸城の鬼門の方角にあって、別名「不浄門」と呼ばれました。城内で出た罪人や死人はここから外に出されたそうで、禁を破って恋に生きた大奥年寄の絵島や、殿中で刃傷に及んだ浅野内匠頭もこの門から出されています。今では、濠にかかる木橋が江戸期の面影を残す数少ない門の一つです。
今回訪れた皇居東御苑は、一般開放されている皇居外苑や北の丸公園と違い、宮内庁所管の皇居附属庭園(つまり皇居の一部)です。宮中行事に支障がない範囲で公開されていますが、入退場のチェックや警備は厳重です。歴史的な建物も中を見学できないのは残念ですが、江戸城の雰囲気は十分伝わり、面白かったです。
平日限定の見学ツアー(要事前申込み)では、通常は立ち入れない区域を見学できるそうなので、いつか参加してみたいです。
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