南房総・ツチクジラの解体
南房総・旧和田町の和田漁港で行われたツチクジラの解体作業を見学。
南房総のクジラ漁は、江戸初期に鋸南町勝山の醍醐新兵衛定明が始めました。紀州から伝わった突きん棒漁で、「鯨組」を組織して沿岸小型種のツチクジラなどを獲りました。「鯨一頭七浦賑わう」と云われたほど、南房総の鯨漁は盛んでした。
もとは灯りや害虫除けの肥料にする鯨油を採るのが目的で、高価な皮脂を採った後の肉は、漁師に分配され食用になりました。ここから、房州の漁村にクジラ食の文化が生まれたようです。
現在,国内の捕鯨基地は5か所(和歌山太地、千葉和田、宮城鮎川、北海道函館・網走)です。ツチクジラの漁期は夏で、捕獲数は全国で62頭(和田26、鮎川26、函館8、網走2)と決められています。
和田では、外房捕鯨株式会社が、小型捕鯨船(48t未満)でツチクジラやマゴンドウ(和田沖と太地沖で計50頭枠)を捕獲しています。獲れたクジラは、港に運ばれて係留され、翌日早朝に解体されます。
社長さんは、クジラ文化の啓蒙にも力を入れており、解体予定は同社のブログで公開され、自由に見学できます。
【この日の進行スケジュール】
04:30~ ツチクジラ解体作業開始
調査測定→解体→皮脂処理→肉処理
06:00ころ 終了
【メモ】
かねて見学したいと思っていた房総の習俗の一つ。日曜早朝の解体を知り、急遽、妻と午前4時に現地入り。ツチクジラは解体場近くの岸壁に係留。解体場に大量の氷が運び込まれ、俄に慌ただしくなる。午前4時半、クジラが解体場に引き揚げられ、専門家(女性)が測定して調査。その後、作業員が長刀のような刃物でスッと切れ目を入れはウインチで引っ張り、皮脂部分を回収。後は魚の3枚おろしの要領で肉塊に分ける。皮脂と肉塊はブロック状に切って氷槽へ。頭部と内臓は女性の専門家が切って調べていた。
血よりも皮脂の油っぽい悪臭が強烈。見学者は20人ほどで外国人比率高し。午前7時半からハギ肉(背骨から削いだ肉)の即売があったが、待たずに引き上げ。漁港そばに駐車スペースあり。
※詳細記事は、本宅サイト「ぐるり房総」に「房総の風景」として掲載していますが、生々しい画像を含むので閲覧注意です。
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