西伊豆・松崎
2日目は,松崎の町をのんびりと散策。
松崎町は,人口7500人ほどの小さな港町です。明治~大正期は養蚕で栄え,全国の繭相場に大きな影響力を持ちました。
繭や木炭の積出しで賑わい,財をなした商家が「なまこ壁」の蔵屋敷を構えました。現在も,那賀川沿いに「なまこ壁」の旧家が点在しています。
松崎に来たもう一つの目的は,長八の鏝(コテ)絵です。
長八(1815-1889)は,江戸末~明治中期に活躍した松崎出身の左官の名工です。貧しい農家に生まれ,左官になり,後に江戸に出て狩野派の画を学びました。
左官の漆喰細工に狩野派の技法を取り入れ,漆喰をコテで細かく彫塑して彩色し,独特の芸術「鏝絵」の分野を開拓しました。
江戸・浅草寺や成田・新勝寺などにも作品を残したそうですが,技術的な継承も途絶え,現在はほとんど残っていません。
生まれ故郷の松崎には,幼少期を過ごした浄感寺の本堂(長八記念館)や町立伊豆の長八美術館に,見事な鏝絵や絵画が残されています。
上の写真は,松崎の旧呉服商・中瀬邸の土蔵に施された鏝絵です(長八の作品かは不明)。
この日は,観光駐車場にクルマを置いて,浄感寺(八方にらみの龍)→なまこ壁通り(近藤邸)→ときわ大橋(漆喰の橋)→中瀬邸→那賀川沿い→伊那上神社→伊豆文邸→伊豆の長八美術館と歩いて散策しました。
その後,クルマで郊外の旧岩科学校(重文)に移動して見学し,松崎町を後にしました。
今回の旅の機材は,AF-S DX 18-55mmF3.5-5.6G,Nikon D40,SB-600でした。土肥金山の坑道でストラップが緩んでカメラが落下。ストラップも時々チェックしないといけませんね。
帰りはR136を北上して,黄金崎でガラス美術館に立ち寄り,沼津ICから東名で帰宅。途中,渋滞15kmにつかまり,帰宅は午後10時ころでした。
| 固定リンク | 0 | コメント (0) | トラックバック (0)