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2010/12/31

南房総・賀茂神社大火祭

今年の撮り納めは,南房総市(旧丸山町)の賀茂神社で行われた大火祭を撮影。

101231【現地解説板の説明】
「毎年十二月の大晦の夜行われる。三メートル余りの高さに生木を積み上げ深夜に点火して歳神様のお降りを仰ぎ,神域はむろん部落を浄め,悪霊を払い,心木の燃えて倒れる方向を吉方とする。各家はその年の火種として枝木にうつし帰り,灰は家の周囲に撒いて病魔を追い払うまじないとする。神社では,参拝者に大豆の強飯(粳0.5,糯2.5,大豆若干の割合)を与え無事息災を祈る。」

【この日の進行スケジュール】
18:30~ 社殿,樹木に放水(消防団)
19:00~ 点火(太鼓→氏子総代長)
たいまつで東西南北の順に点火
20:40ころ 心木が燃えて倒れる
21:00ころ ほぼ終了

【メモ】
生木の積み上げは12/28に,神事は12/30に,それぞれ行われたとのこと。合図の太鼓が鳴ると,地区の皆さんが次々に古い神札を燃やしに来ます。心木(椎の生木)が倒れたのは点火から1時間40分後。今年の吉方は「南」と出ました。見物人は,点火時は地区の皆さんが大勢ですが,30分ほどでいなくなり,心木が倒れるころには役員さんだけ。カメラマンは2人。大豆の強飯がおいしかったです。氏子総代長さん,役員の皆さん,お忙しい中,色々教えていただきありがとうございました。
※詳細記事は,本宅サイト「ぐるり房総」に掲載。

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2010/12/23

香取・新市場神楽

香取市(旧佐原)・天宮神社で行われた「新市場神楽」を撮影。

101223毎年,春祈祷(5月下旬)とオビシャ(12月23日)に,天宮神社の境内で獅子神楽と余興の芸能が奉納されます。

獅子神楽の起源は不詳ですが,江戸初期ころから続くと云われ,「布舞」「幣束舞」「鈴舞」「剣の舞」「怒りの舞」が伝わります(市無形民俗文化財)。この日は,「剣の舞」を除く4つの演目が奉納されました。

余興の芸能は,「鳥刺し」「オカメひょっとこ」「鬼」「鍾馗」「医者と看護婦」「魔導舞」などが伝わります。この日の演目は「鳥刺し」。鷹狩りで使う鷹の餌になる小鳥を鳥もち竿で捕る役を,面白おかしく演じました。

【この日の進行スケジュール】
10:30~ 新旧当番が神社入り
11:00~ 練込み行列
祝詞→修祓→当番引継ぎ神事
11:30~ 獅子神楽奉納
布舞→幣束舞→鈴舞→怒りの舞
11:50~ 余興(鳥刺し)
12:00ころ 終了

【メモ】
この日は,オビシャでの奉納を見学。余興の「鳥刺し」が珍しい。以前は神社から当番家に移動し,獅子神楽と芸能が夕方まで演じられたとのこと。他の演目もぜひ見てみたいものです。見物人は地区の皆さんが十数人,カメラマンは10人ほど。みかんと箱ティッシュのお配りを頂きました。駐車場はなし。
※詳細記事は,本宅サイト「ぐるり房総」に掲載。

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2010/12/18

成田・桜田の大火

成田市(旧大栄町)桜田・熊野権現神社で行われた「桜田の大火」を撮影。

10121812月二回目の卯の日の前夜,熊野権現神社の境内で大きな火を二つ焚き,その間を子供たちが駆け抜けます。
地区を流れる川に住む河童の害から逃れるための行事と伝わり,大火の間を年齢の数だけ駆け抜けると1年間風邪をひかないと云われています。

かつては,枝打ち~積み上げ~点火~鎮火まで,子供たちが行いました。

県内の大火行事は,心棒が焼けて倒れた方向で吉凶を占う例が多いのですが,桜田の場合,河童の災難除けという珍しい民俗行事です。

【この日の進行スケジュール】
10:00~12:00 枝の積み上げ
17:30~ 拝殿,樹木に放水(消防団)
18:30~ 点火
子どもたちが駆け抜け→焼き芋
19:30ころ 終了

【メモ】
小学4年~中学生の子どもたち十数人が参加。鎮火を見届けて解散したのは20:30ころ。昔は,境内の大火の他に,鳥居前に薪を井桁に組んだ4~5mの大篝火と,沿道に99の小篝火を焚いたそうです。熱くて近寄れないので撮影アングルは意外と限られます。延焼防止の放水でぬかるんだ足元に注意。懐中電灯は必須です。見物人は地区の皆さんが20~30人ほど,カメラマンは8人。駐車場なし(スペースあり)。詳しく教えて頂いた区長さん,地区の皆さん,ありがとうございました。
※詳細記事は,本宅サイト「ぐるり房総」に掲載。

(追記)現在は、毎年12月第二土曜日に行われています。

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2010/12/11

房総の郷土芸能2010

東金市の東金文化会館で行われた「房総の郷土芸能2010」を見に行ってきました。

101211参加団体は,東金・東金ばやし(い若連),九十九里・西ノ下の獅子舞(西ノ下区獅子舞保存会),山武・お竜頭の舞(白幡八幡神社伝承文化保存会),芝山・殿部田のお囃子と巫女の舞(殿部田お囃子保存会),山武・本柏稲荷神社の神楽(本柏神楽保存会),大網白里・永田旭連の獅子舞(永田獅子旭連),東金・北之幸谷の獅子舞(北之幸谷獅子連)の7団体でした。

今年は山武地区の伝統芸能がテーマで,西ノ下獅子舞の芸獅子「蛇がかり」,永田旭連獅子舞の珍しい振り袖姿「お染め獅子」,北之幸谷獅子舞の三組獅子による「梯子獅子」は,大変な喝采を浴びていました。

千葉県無形民俗文化財連絡協議会の会長さん(鬼来迎保存会の会長さんでもある)の挨拶(「先人たちがどんな思いで行事を伝承してきたのかに思いを馳せ,自分たちもしっかりと継承して参りたい」)も,とても良かったです。

今回はステージ公演なので,情報収集のみで撮影はなし。民俗芸能は伝承地の風景の中で撮影したいので,いずれ現地を訪れるつもりです。今日は,各芸能をじっくり見て,音録りをして,舞の順序や展開を予習できたので,将来の撮影行の参考になりました。

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2010/12/05

君津・ししきりまち

君津市清和市場の諏訪神社で行われた猪鹿切り祭(ししきりまち)を撮影。

101205諏訪神社は,平安時代の嘉祥元年(848),時の領主が勧請した古い神社です。
かつては領主の命により,猪鹿奉行が旧暦11月26日から十日間,田畑を荒らす害獣の猪や鹿を村人総出で狩りを行い,十日目の12月5日に獲物を神前に供えて狩猟祭を行ったのがこの神事の始まりと伝わります。

神饌の肉は,下社の境内の斎場で,社家と呼ばれる肉を切る人(奉仕するのは四家)が古来の作法で肉を切り分け,榧枝に藤皮を巻いた5つの器に盛って神前に供えます。
その後,肉は村人に分け与えられ,この肉を食べると風邪をひかず丈夫になると云われます。

鳥獣を狩って農産を守り,五穀豊穣を祈願する「狩猟(みかり)祭」で,房総では数少ない珍しい行事です(県記録選択無形民俗文化財)。

【この日の進行スケジュール】
15:30~ 神事(上諏訪神社)
祝詞奏上→修祓→玉串奉天→下諏訪神社へ
16:00~ ししきり神事(下諏訪神社)
祝詞奏上→修祓→境内の斎場で「しし切り」→切った肉を神前に供える→玉串奉天
16:20~ 餅撒き
菱餅・みかん→桶の肉(争奪戦)
16:30ころ 終了

【メモ】
神饌の肉は,猪→兎→鶏肉と変遷。肉を入れた桶(おかもち)は,神職家から上社に運び込まれます。下社での神事後,残った肉が分け与えられますが,皆さん,我先に奪い合い,桶はあっという間にカラッポになりました。見物人は地区の人が多数,カメラマンは5人。駐車場あり。
※詳細記事は,本宅サイト「ぐるり房総」に掲載。

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