館山・洲崎のミノコ踊り
館山・洲崎神社例祭で行われたミノコ踊りを撮影。
【現地解説板の説明】
「毎年,2月の初午と8月20~22日の神社例祭に奉納されます。『みろく踊り』と『かしま踊り』の2種類からなり,地元ではこれらを『みのこ踊り』と呼んでいます。
踊り手は,基本的には小学生から中学生までの女子が中心ですが,近年は児童の減少から成人の女性が交じっています。オンドトリと呼ばれる1名の大太鼓役と2名の歌役が中央に座り,その回りを踊り手たちが円形に取り巻き,太鼓と歌にあわせて踊ります。
手に持って舞う採物(とりもの)は,『みろく踊り』では,左にオンベ(長柄の御幣)を肩に担ぎ,右に扇を持ちます。『かしま踊り』では,扇のみを使います。初午の時に使うオンベと例祭のオンベは異なり,初午では,青竹にサカキと五色の幣束をつけたもの,例祭の時には,白い幣束と鏡をつけたものを使用します。
このふたつの踊りは,いずれも海の安全を司る鹿島の神に関係しています。『かしま踊り』は,鹿島の神人(じにん)が一年の豊凶を告げ歩く『事触れ』に由来するもので,悪霊払いを目的としています。一方,『みろく踊り』は,世直しを願う念仏踊りの系譜にあたり,弥勒が遠い海の彼方から訪れ,富や豊作をもたらすという内容になっています。
『みのこ踊り』は,安房地方南部の館山市洲崎と波左間,南房総市千倉町川口の3か所に伝わっているほか,関連する芸能が千葉県内にいくつか見られます。
『かしま踊り』そのものは,相模湾西岸(神奈川県小田原市から静岡県賀茂郡東伊豆町)にも分布していますが,安房地方の『みのこ踊り』と比べると,歌詞や採物などに共通点がある一方で,相模湾西岸の『かしま踊り』には方形の隊形で演じる場面があるため,踊りに参加する人数に限りがありますが,安房地方の『みのこ踊り』は円形の踊りのみであり,踊りの人数に制限はありません。
10人前後の少女が輪になって,大人の歌や太鼓などの演奏に合わせて踊る民俗芸能であることが,洲崎踊りをはじめとする安房地方の『みのこ踊り』の特色といえます。」
【この日の進行スケジュール】
14:30~ ミノコ踊り(拝殿前)
15:00~ ミノコ踊り(石段下広場)
15:15~ 宮出し(小神輿→大神輿の順に石段を下りる)
16:30~ 神輿磯出(天狗,小神輿,大神輿)
16:50~ 神事(海岸)
17:00ころ 終了
【メモ】
洲崎神社例祭は,21日が本祭。ミノコ踊りは,この日だけ揃いの衣装で踊ります。踊りは,拝殿前と石段下広場の2回。大神輿が急な石段(150段)を降りるのも圧巻。磯出は海に入りません。海岸神事の後,最後に神職が塩を「汐の路」(海)に撒いて終了します。見物人もカメラマンも多かったです。駐車場は神社横と漁港にスペースあり(参道は神輿磯出の邪魔になり駐車不可)。
※詳細記事は,本宅サイト「ぐるり房総」に掲載。
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