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2010/05/06

益子・日下田邸

城内坂の入口に,古い茅葺き屋根の古民家・日下田邸があります。

100506_2日下田家は,江戸後期創業の紺屋(藍染工房)です。趣のある古民家は,母屋と作業場を兼ねた鍵屋造りで,創業時の建築です(県文化財)。

古来,日本に伝わった藍染めは,江戸期には広く普及して,庶民の衣の8割は藍で染められたと云われます。

日下田家では,子供を亡くした初代が「人が集まる仕事を」と藍染めを始めたそうです。
その藍染を民藝作品にまで高めたのは,先代の博氏でした。益子焼で人間国宝の浜田庄司氏が提唱した民藝運動に共鳴し,藍染の世界で創意工夫を凝らし,付加価値を高めました。

現在,9代目の正氏が跡を継ぎ,綿花の栽培から綿つむぎ,織りから染めまで全工程を手がけています。藍のほか,紅花や紫草,茜草による染色も手がけ,その高い技術は「草木染め」として県無形文化財に指定されています。

写真は,日下田家の作業場です。土間一面の藍甕が歴史を物語ります。
土間は,三和土(たたき)といって,石灰・赤土・砂利などに岩塩を混ぜ,水を加えて練り固めたものを,土間に塗って叩き固めています。こうすることで,江戸期から現在まで,地震などの被害から72個の藍甕を守ってきました。

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