« 2010年4月 | トップページ | 2010年7月 »

2010/05/22

南房総・原岡の虫送り

南房総市富浦町原岡地区で行われた虫送り行事を撮りに行ってきました。

100522b_2原岡では,貢済(グザイ=ムラの農業用水を管理する組織)の皆さんが行っています。旧行は5月20日でしたが,現在は田植えの終わった5月中旬の土曜日に行っています。
松明の火で害虫を追い出し,杉の葉で編んだ虫籠に封じ込め,川に流す,昔ながらの行事です。

午後2時すぎ,現地到着。愛宕神社で午後2時50分ころ,神事が始まりました。引き続き直会。神職が古くから伝わる愛宕詣りの唄を披露して下さり,午後4時40分ころ宴席が終了。

午後5時,かつてグザイの井戸があった全昌寺前に集まり,虫送りのスタートです。神職によると,昔は子どもたちが「オークンド(送るぞ)オークンド,イネムシ(稲虫)オークンド」と唄いながら付いて回ったそうですが,今は大人だけで唄はありません。
松明を持たせてもらいましたが,重すぎて担げませんでした。何人かで交代しながら担ぎ,約1.8kmほど離れた岡本川まで虫を追いました。最後は,松明と虫籠を川に流し,午後6時ころ解散となりました。

今回の機材は,DX12-24/4G,DX17-55/2.8G,D300×2,SB-800×2でした。カメラの露出補正を戻し忘れ,アンダーなカットだらけ…(サイト掲載写真は,ソフトウェア的に補正をかけ,元に戻しています)。
地元の関係者以外に見物人はなく,カメラマンは4人でした。

直会の座に交えて頂いた上,飲み物やお菓子の振る舞いまで頂き,恐縮しました。神主さん,グザイ頭さん,地区の皆さん,ありがとうございました。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/05/15

南房総・青木の虫送り

南房総市富浦町青木地区で行われた虫送り行事を撮りに行ってきました。

100515b虫送りは,田植えが終わったころ,稲に付く害虫を追い出す行事です。昔はどこの農村でも見られた光景ですが,農薬が普及して害虫がいなくなった今では,ほとんど見なくなりました。

旧富浦町・青木地区では,子どもたちが主役となって松明の火で虫を追い出す,昔ながらの虫送り行事が続けられています。

行事は夕方からなので,朝はゆっくり出発。午後2時半ころ現地到着。青木公会堂に車を置いて,JA農機倉庫へ。
周囲の田んぼはすっかり田植えが終わっていました。ザリガニ捕りに興じる子どもたちと遊びながら待つこと1時間。午後3時40分ころ,倉庫前で松明作りが始まりました。

竹に藁を巻き付けて,2mほどの松明を作ります。年長の小学5年生を先頭に,並んで火をつけると,一列で田んぼの道を歩きながら松明で虫を追います。

子どもたちは,「オークンド(送るぞ)オークンド,イネムシ(稲虫)オークンド」と囃しながら,700mほど離れた岡本川まで虫を追います。昔は,松明ごと川に流したそうですが,今は青木橋のたもとに掘った穴で松明を燃やして終了します。子どもたちはお菓子を受取り,午後4時すぎに解散となりました。

今回の機材は,DX17-55/2.8G,VR70-200/2.8G,D300×2でした。望遠レンズの出番はなく,超広角を用意した方が面白いカットになったかも知れません。
地元の行事で関係者以外に見物人はなく,カメラマンは常連さん5人でした。

| | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010/05/06

益子・日下田邸

城内坂の入口に,古い茅葺き屋根の古民家・日下田邸があります。

100506_2日下田家は,江戸後期創業の紺屋(藍染工房)です。趣のある古民家は,母屋と作業場を兼ねた鍵屋造りで,創業時の建築です(県文化財)。

古来,日本に伝わった藍染めは,江戸期には広く普及して,庶民の衣の8割は藍で染められたと云われます。

日下田家では,子供を亡くした初代が「人が集まる仕事を」と藍染めを始めたそうです。
その藍染を民藝作品にまで高めたのは,先代の博氏でした。益子焼で人間国宝の浜田庄司氏が提唱した民藝運動に共鳴し,藍染の世界で創意工夫を凝らし,付加価値を高めました。

現在,9代目の正氏が跡を継ぎ,綿花の栽培から綿つむぎ,織りから染めまで全工程を手がけています。藍のほか,紅花や紫草,茜草による染色も手がけ,その高い技術は「草木染め」として県無形文化財に指定されています。

写真は,日下田家の作業場です。土間一面の藍甕が歴史を物語ります。
土間は,三和土(たたき)といって,石灰・赤土・砂利などに岩塩を混ぜ,水を加えて練り固めたものを,土間に塗って叩き固めています。こうすることで,江戸期から現在まで,地震などの被害から72個の藍甕を守ってきました。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/05/05

益子・陶器市

初夏の日差しに誘われて,妻と栃木・益子の陶器市に行ってきました。

100505益子焼は,江戸末期,笠間で学んだ陶芸家が益子で窯を開いたのが始まりと云われます。春と秋の陶器市には,新進気鋭の若手から常設店舗まで,様々な陶芸家の作品が並びます。手頃な価格の実用的な器が多く,関東では笠間焼と並んで人気があります。

今回,数年前に買ったお気に入りの茶碗を割ってしまったので,同じものを買うつもりでした。が,どの窯元だったか見つけることができず(何せテントが500以上も並びますから),メインストリートを端から端まで歩きました(笑)。
結局,別の窯元で気に入った品を買い求めましたが,7月並みの夏日で汗だくになりました。

写真は,城内坂での1枚。この日は陶器市最終日で,観光バスの団体を含め,たくさんの人で賑わっていました。

次は,坂を下って,日下田藍染工房に足を延ばします。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/05/02

伊豆・ステンドグラス美術館

GWを利用して,妻を誘って伊豆高原ステンドグラス美術館に行ってきました。

100502この美術館は,前に訪れた那須ステンドグラス美術館の姉妹館で,運営主体も同じ(ブライダル事業のSUZUYA)です。

マナーハウスをモデルにしたイギリス風の石積み建築の建物が素敵です。
館内は,1800~1900年代のアンティークステンドグラスから漏れる柔らかい光で満たされ,癒されます。ステンドグラスに聖画が多いのは,文盲の庶民にキリストの教えを広めるという教会側の事情があったのですね。知りませんでした。
凝った造りのステンド作品に,ステンドグラスが趣味の妻はもちろん,私自身も興味深かったです。

写真は,エントランスでの1枚。残念ながら,ここから先の館内は撮影禁止です。

セント・ミッシェル礼拝堂では,パイプオルガンと金管五重奏のミニコンサートがありました。テラスから海を眺めながらのティータイムは,時間がゆっくりと流れ,しばし都会の喧噪を忘れることができました。

旅の機材は,AF-S DX 18-55mmF3.5-5.6GII,Nikon D40。日帰りでしたが,地元の魚で寿司を楽しみ,伊東温泉のハトヤで海底風呂を楽しみと,結構リフレッシュできました。
帰りは,大渋滞の東名高速を避け,西湘バイパス~首都高経由で午後11時ころ帰宅しました。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/05/01

船橋・高根町神明社の神楽

船橋市高根町の神明社で行われた夜神楽を撮りに行って来ました。

100501明治6年(1873),風早村塚崎(旧沼南町)の神明社から習い伝えた農民神楽です。五穀豊穣と村の安全を祈り,毎年元旦,5月1日,10月15日(例祭)に神楽殿で奉納されています(市無形民俗文化財)。

午後4時ころ現地に到着。神楽が始まるのは午後6時ころとのことで,神社横の駐車場でしばし待機。
午後6時,神楽殿で神楽が始まりました。十四座が伝わりますが,この日は,神子舞,猿田彦命舞,湯笹舞,日本武尊舞,大蛇(オロチ)舞,天狐之舞,翁舞,ぎおん舞の八座が奉納されました(全座を舞うのは10月15日のみ)。
宮神楽系列の下総神楽と異なり,複数演者が登場する黙劇的な演目が多く,江戸里神楽の特徴をよく残しています。写真は大蛇舞で,奇稲田姫に襲いかかるオロチです。市内では高根だけで演じられている演目です。最後のぎおん舞では餅を撒き,午後8時半ころ終了しました。

今回の機材は,DX12-24/4G,DX17-55/2.8G,VR70-200/2.8G,D300×2,SB-800×2でした。神楽殿の床が高く,2段の脚立ではまったく役不足でした。大蛇舞と天狐之舞は動きが速く,撮り逃した場面が多かったのが残念です。分かりやすい神楽で,撮影しながら楽しめました。見物人は20~30人,アマチュア・カメラマンは3~4人でした。

お忙しい中,詳しく教えていただいた持井工務店の社長さん,神楽連の皆さん,ありがとうございました。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年4月 | トップページ | 2010年7月 »