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2010/02/28

香取・府馬の神楽

香取市(旧山田町)府馬の愛宕神社で行われた神楽を撮りに行って来ました。

100227明治初期に,時の宮司が火難消除と五穀豊穣を祈願して,氏子の若者に神楽を教えたのが始まりと伝わります。
もとは帰命台地区の人々が2月24日の例祭(鎮火祭)に舞い伝えていましたが,戦後の後継者不足で昭和40年代初めに途絶えてしまいます。
地元の人々は,保存会を作り,府馬地区から神楽師を選び,先達から指導を受けて,昭和51年の例祭から神楽が復活させました。
現在は,毎年2月第四土曜日に,愛宕神社の神楽殿で奉納されています(市無形民俗文化財)。

正午前,現地到着。神社裏手の駐車場にクルマを置きます。正午すぎ,猿田彦の舞が始まりました。演目は,天鈿女命(あめのうずめのみこと),八幡(やはた)大神,稚児舞(幣束の舞),三宝荒神,稚児舞(扇の舞),乙女之命,恵比寿大神,稲荷大明神,天種子命(あめのたねこのみこと),白狐(写真),〆は須佐男命の十座+稚児舞でした。途中,3回ほど餅(菓子)を撒き,午後4時半ころ終了しました。

今回の機材は,DX17-55/2.8G,VR70-200/2.8G,D300×2,SB-800×2でした。小雨まじりの強風,しかも寒い1日で震えながらの撮影でした。今日のコンディションでは,ストロボの調光補正は-0.7段でちょうどいい感じでした。神楽殿は,正面と左ソデの2方が開いています。床が高いので脚立は必須。できれば3段を用意したいところです。アマチュア・カメラマンは6人ほどでした。
途中の餅撒きは,鯛5匹やら菓子やらを大量に撒きます。その前後は子供たちがワッと集まり,神楽殿の手すりに鈴なり状態になります。子供たちの殺気で神楽殿に近づけず,最後の須佐男命はいいアングルを撮り損ないました(笑)。

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2010/02/21

山武・五所神社十二面神楽

山武市蓮沼の五所神社で行われた神楽を撮りに行きました。

100221延享3年(1746),藩公堀田正亮(宗吾事件で山形に転封中)が,旧領に戻ることができた供米として,五所神社に米40俵を奉納しました。その返礼に、神官が神楽を奉納したのが始まりと伝わります。毎年2月第三日曜日に五所神社で(その前週には稲荷神社で)奉納されています(市無形民俗文化財)。

正午ころ,五所神社に到着。以前から見たいと思っていた本殿(県重要文化財)の内殿を拝見します。内殿は,天正2年(1574)の建築で,日光東照宮の宮大工による朱,黒,金の豪華な装飾が施された立派なものでした。

午後1時,社殿前の仮設舞台で猿田彦の舞が始まります。演目は,鈿女命(うずめのみこと),荒神,八幡大神,秋之神,種蒔(写真),恵比寿と大黒大神,〆は出雲大神(須佐男命)の八座でした。最後に餅(菓子)を撒き,境内で湯立の神事が行われて,午後3時ころ終了しました。

今回の機材は,DX17-55/2.8G,VR70-200/2.8G,D300×2,SB-800×2でした。1年ぶりの神楽撮りですっかり勘が鈍り,撮り損ねた場面が結構ありました。
仮設舞台は,床が高いものの,四方が開いているので舞台ソデからの撮影は容易です。脚立はあまり使いませんでした。見物人もアマチュア・カメラマンもそれほど多くなく,村の鎮守の祭りという雰囲気がよかったです。

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2010/02/20

館山・茂名の里芋祭

館山市の茂名地区に伝わる里芋祭を撮りに行ってきました。

100220五穀豊穣と無病息災を祈るおびしゃの一種で,毎年2月19~21日に行われます。19日の夜が年当番家で里芋の準備と当番引継の直会,20日の朝が十二所神社への奉納,21日が女衆のみのお籠もりです。
由来は,鎮守・十二所神社の御祭神が12人の子を育てるのに乳が足りず,里芋と甘酒で育てた伝承から,神社に里芋を奉納するようになったと伝わります。里芋を用いた予祝儀礼は全国でも珍しく,千葉県で数少ない国重要無形民俗文化財です。

今回は20日を取材しました。午前9時,茂名地区会館にクルマを置き,年当番家へ。座敷で準備の様子を見せてもらいます。高さ60cmほどの里芋の山が2つ,神饌(酒・のし餅・キンメダイ)とともに供えられていました。里芋は,アカメ種というソフトボールほどの大きな芋で,この日のために氏子28戸で栽培して持ち寄るそうです。蒸した里芋を,飯櫃に数十個ずつハギの枝に刺して固定し,積み上げた頂上に梅の小枝を挿してあります。

午前10時,里芋は竹篭に入れられ,天秤棒で担がれて当番家を出発。担ぎ手は2組の新年当番が1篭ずつ担ぎます。神職を先頭に,里芋2篭の行列が,約500m離れた十二所神社へ繰り込みます。辻では,地元の皆さんが行列を見送ります。長老によれば,昔は16篭の里芋を氏子総出で担いで奉納したそうです。
神社では,拝殿で神事が20分ほど行われ,その後,いっせいに里芋の山をほぐします。里芋を数個ずつ,切り分けたのし餅と御神札を添えて包み,氏子各戸に配ります。この芋を食べるとカゼをひかないと云われます。
最後に,のし餅の残りで簡単な直会をして,正午前にこの日の行事は終了しました。

今回の機材は,DX17-55/2.8G,DX10.5/2.8G,D300×2,SB-800×2でした。前回の亀崎如意輪まいりといい,狭い場所での撮影用に超広角レンズが欲しくなりました。暖かな一日,しかも土曜日と重なって,地元の人よりカメラマンの方が多かったです。

忙しい中,詳しく教えていただいた氏子の皆さん,ありがとうございました。

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2010/02/14

匝瑳・亀崎如意輪まいり

匝瑳市(旧八日市場市)亀崎地区で行われた如意輪まいりを撮りに行ってきました。

100214女人講の子安信仰に始まる安産祈願の仏教行事で,毎年2月中旬の日曜日,稲生(いなおい)神社の境内で行われます。着飾った女性たちが神社境内に祀った子安さまに踊りながら詣でます。江戸時代から続くと云われ,市無形民俗文化財に指定されています。

午前10時,現地に到着。クルマは道に置きますが,養浄寺(亀崎コミュニティセンター)~稲生神社間には駐められないので注意が必要です。先に稲生神社をロケハン。午前11時,役員の女性たちが子安社に3幅の軸物(「木花開耶姫命」「子安観音」「如意輪観音」)を吊して飾り,御神酒とおにぎりを供えました。安産の神様だけにに,近くには「金精さま」の祠もありました。

正午ころ,コミュニティセンターにお囃子の男性陣が集まります。午後1時,花万燈が養浄寺に掲げられると,コミュニティセンターで踊りが始まりました。室内で3曲(いそべ,松かざり,大漁節)踊った後,前庭で大杉囃子にあわせて輪になって踊ります。時計回りに3周踊ると,100mほど離れた稲生神社まで短い道中を踊りながら歩きます。

午後1時半,稲生神社の境内で踊りが始まります。大杉囃子にあわせて踊りながら,境内を時計回りに3周します。続いて,子安さまの社の前に全員が並び,いそべ,松かざり,大漁節の3曲を踊ります。
最後に,みんなで御神酒をいただいて安産を祈願し,供えたおにぎりを参詣者に配って,午後2時ころ終了しました。

今回の機材は,DX17-55/2.8G,DX10.5/2.8G,D300×2,SB-800×2でした。晴天に恵まれましたが,境内は薄暗く,ストロボは必須です。SB-800は調光補正-2段でちょうど良い感じでした。見物人は地元の人が十数人,アマチュアカメラマンは7~8人でした。

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2010/02/13

成田・奈土のオビシャ

成田市(旧大栄町)奈土で行われたおびしゃ行事を撮りに行ってきました。

100213奈土のおびしゃは,五穀豊穣と家内安全を祈願して,毎年2月13日直後の日曜日に奈土五区と六区で行われます。150年前から伝わる農村行事で,古い慣わしをよく残し,県記録選択無形民俗文化財です。今回は,午前の神事(両区の合同)と午後の「座敷の儀」「三又の儀」(六区)を取材しました。

午前7時半,現地到着。磐裂(いわさく)神社で両区の役員さんが準備を進めていました。神殿に野菜や米を供えた後,拝殿で手分けして奉書紙に氏子名を墨で書き連ねて竹で挟み,それぞれの区の「御日記」を作ります。大須賀神社から神職が到着。神職が「神の依代」(御日記と榊を奉書紙に包み紅白の水引で結んだもの)を作り上げます。
午前9時半,拝殿で神事が始まりました。神事は30分ほどで,簡単な直会をして午前の部は終了。両区の役員さんが「神の依代」を大切に自分の区に持ち帰りました。

午後は両区で別々に行事が行われます。午後1時,「座敷の儀」が行われる六区のカンヌシ当番家にお邪魔しました。六区の当番は,四十数軒を三組に分け,各組が一年間おびしゃ当番を務めます。組の1軒がカンヌシ当番(筆頭)となります。座敷に忌竹4本で結界を作り,神社から持ち帰った「神の依代」を酒樽に立てて飾ります。結界を囲み,地区の戸主さんが数人ずつ数座に別れて盃を交わします。

午後2時,庭で保存会による獅子神楽が始まりました。前半は二人立ち獅子舞(約20分)で,後半は幣束と鈴を持った獅子神楽舞(約10分)でした。獅子の動きは,独特で面白いものでした。

午後2時半,「座敷の儀」が終わり,カンヌシ当番の交代儀式に移ります。この儀式は集落の三叉路で行う慣わしで,「三又の儀」と呼ばれます。幟を先頭に,カンヌシ当番,役員,お囃子の行列が続きます。このとき,新カンヌシ当番は背中に「神の依代」を背負っています。三叉路にゴザを敷き,新旧当番が盃を交わし,無事に当番が引き継がれ,午後3時前に終了しました。

今回の機材はDX17-55/2.8G,DX10.5/2.8G,D300×2,SB-800×2でした。小雪が舞う寒さの中,指が凍えました。午前の神事は,役員さんのみで見物人はいません。カメラマンも私とケーブルTVの二人でした。午後の行事は,地元の皆さんのほか,カメラマンは数人でした。

お忙しい中,詳しく教えてくれた氏子総代さん,地区の皆さん,ありがとうございました。

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2010/02/11

twitterはじめました

最近になって,話題のtwitterを始めました。

100211小さな話題を手軽に発信できるので,サイトやブログより簡単…などと言われるtwitter。気にはなっていましたが,サイトやブログを運営している身としては,「サイトやブログでいいんじゃないの?」と懐疑的でした。

ちなみに,世に「ブログ」が出現したときも,「サイトでいいんじゃないの?」と思ってなかなか手を出さなかったような…(汗)。

twitterは,使い方しだいで面白くもつまらなくもなるようです。最初は,仲間うちでやるチャット的なイメージを持っていたので,「知り合いがtwitterをやってなきゃ,使えないな」と誤解していました。実際はその逆で,「知り合いを積極的に増やしてコミュニケーションする」という発想の転換がポイントでした(知り合いが増える→人の輪が広がる→情報が増えコメントも増える→面白くなる)。まだまだ試行錯誤中ですが,無限の可能性を感じます。

人のつながりが大事という点では,サイトやブログの運営と同じです。twitterは,そこにリアルタイム性が加わります。最先端のネット技術ですが,最後は結局「人と人とのつながり」なんだと思うと,何だかほっとした気持ちになります。

アカウントは@fshima5150で「つぶやいて」おりますので,お気軽にフォローをお願いします。

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2010/02/06

撮影機材としてのクルマ

房総半島は公共交通機関が不便ですから,祭り取材の移動はほとんどクルマです。

100206マピオンの地図サイトで目的地を確認し,現地までのルートを決めます。グーグル・アースで現地の状況を確認し,駐車場所なども見つけておきます。小さな神社などが多いので,カーナビは必需品。カロッツェリアのHDDナビを,割とこまめに地図を更新して使っています。

写真は,撮影行に使っているワゴン車(初代ステップワゴン)です。車内には,脚立,三脚などの撮影機材と,車載用電源インバーター,機材の充電器,ゴム長靴と寝袋が積んであります。これに,カメラ機材を詰めたカメラバッグと,簡単なキャンプ用品(バーナーとボンベなど)を詰めたサブバッグを積み込んで出発します。夏場には,ペットボトルを凍らせたクーラーボックスが,冬はシュラフが加わります。

現地では,車内でコーヒーを飲みながら,文庫本や印刷した資料を読んで待機したりします。iPhone導入後は,現地で電子ブックやネット接続ができるので便利になりました。

この車は,2列目シートの補助席を倒せば,3列目シートとフラットにつながり,一人分のベッドができます。機材を出したまま,左半分に寝るスペースが確保できるので,現地で宿がない場合の車中泊も苦になりません。
Wサンルーフは車内でお湯を沸かすときには必須だし,このような使い方ができるワゴン車は稀少になったので,なかなか買い換えられません(ごめんね,ディーラーの担当さん)。

(追記)2011年7月,15年13万kmで泣く泣く手離しました。

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