千倉(忽戸)の三番叟
南房総市千倉町に伝わる三番叟(さんばそう)を撮りに行きました。
能の「式三番」が郷土芸能化した豊作・豊漁祈願の行事で,千倉町では忽戸(こっと)の荒磯魚見根神社と平磯の諏訪神社で奉納されています。いずれも江戸後期から演じられ,昭和初期までは歌舞伎芝居も上演され,集落の娯楽になっていたようです。いつしか歌舞伎芝居がなくなり,今では三番叟だけが伝えられています。昭和45年,両地区を併せて「千倉の三番叟」として県無形民俗文化財に指定されました。
早朝,館山道経由で千倉町に入ります。まずは忽戸地区の荒磯魚見根神社へ。神社周辺は駐車スペースがなく,国道沿いの空き地に車を置き,機材を担いで神社へ戻ります。境内の芝居小屋では準備の真っ最中でした。
午前10時,地区の山車が到着。この日は千倉町全域の夏祭りで,この後町内を引き廻すそうです。午前11時ころ,地区の皆さんが見物にそぞろ集まってきます。
午前11時を過ぎ,いよいよ開演です。演目は,千歳の舞,翁の舞,三番叟の舞(直面の舞,千歳との問答,鈴の舞)の3つ。昔,飢饉の雨乞いに舞を奉納したところ,雨が降って救われたとの伝承から,忽戸の三番叟は「雨乞い」神事と云われています。
舞い手は,氏子の長男で小学生です。地元の人によれば,長男で両親が揃っていることが条件なので後継者選びが難しいそうです。舞い時間は全部で50分ほどで,正午ころ行事が終了しました。
忽戸での機材は,DX17-55/2.8G,VR70-200/2.8G,D300×2,脚立でした。舞台は逆光でやや暗め。ストロボを用意しなかったのは失敗で,やむなくISO800で撮影しました。舞台と近いので撮りやすく,アマチュアカメラマンも少ないので,脚立は不要でした。
次は,平磯地区の諏訪神社へ移動します。
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