« 2009年2月 | トップページ | 2009年4月 »

2009/03/28

旭・鎌数の神楽

神楽取材の第3弾として,旭市の鎌数大神宮の神楽を撮りに行って来ました。

090328鎌数大神宮は,江戸期の寛文12年(1672),広大な椿海の干拓が成功した際,伊勢神宮から勧進されました。神楽は,その頃から奉納されていたそうで,県無形民俗文化財に指定されています。

花びえの中,現地に到着。午前11時,猿田彦を先頭にお練り行列が神社に入ります(写真,クリックで拡大します)。神楽が始まる昼過ぎまで,しばし休憩です。

正午過ぎ,猿田彦の舞いが始まりました。演目は,オカメ,手力雄命,(稚児舞,)八幡,三宝荒神,榊葉,(稚児舞,)鯛釣,田ノ神,保食神,種まきと続きます。演目間の休憩が長く,ゆっくりとした進行でした。
恵比寿,種まきでは,お約束の餅まきがあります。餅や菓子のほか,インスタントラーメンや大根をまいていたのが面白かったです。午後5時過ぎ,素戔嗚尊の出雲切の舞いで終了し,神楽殿で関係者の御慰労が行われてお開きとなりました。

今回の機材は,DX17-55/2.8G,VR70-200/2.8G,D300×2,SB-800でした。約5時間の長丁場ですが,一座あたりの舞い時間が短いので,シャッターチャンスが限られました。神楽殿は,正面に大きな幣帛と柵囲いの神域,舞台の左手にお囃子奏者が入ります。神楽殿の床は高く,脚立は3段のものを用意したいところです。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/03/20

旭・熊野神社の神楽

旭市(旧干潟町地区)清和乙の熊野神社に伝わる神楽を撮りに行って来ました。

090320起源は不明ですが,下総の神楽の中で最も古くから伝わる里神楽といわれ,県無形民俗文化財です。以前は神社の祭礼で演じられたそうですが,今は春分の日に奉納されています。

花おこしの雨の中,現地に到着。正午ころ,猿田彦の露払いの舞いが始まり,兒屋根大玉,乙女,手力男と演目が進みます。あれれ,見物人が少ない…。脚立に乗ったアマチュア・カメラマン数人ばかりで,午前中は人がまばらでした。午後1時ころ,お昼の直会で休憩に入ります。

午後1時40分ころ,稚児舞で再開です。地元の皆さんがたくさん集まって来て,舞いにも力が入ります。八幡,荒神,細女,榊葉,恵比寿,稲荷(上の写真,クリックで拡大します),保食神,種蒔と演目が進みます。途中,さらに2回ほど稚児舞が入りました。また,恵比寿,稲荷,種蒔では,舞った後に餅まきがあります。餅をまく神楽は多いですが,鯛や鏡餅までまくので驚きました。
午後5時ころ,素戔嗚尊の七五三切りの舞いで終了です。機材を片づけていると,無人となった境内からお囃子が…?拝殿で関係者だけでひょうじょうがえし(素面)が行われてお開きとなりました。

今回の機材は,DX17-55/2.8G,VR70-200/2.8G,D300×2,ストロボはSB-800でした。約5時間の長丁場なので,シャッターチャンスは豊富でした。神楽殿は,正面に大きな幣帛と,舞台の両脇に太鼓奏者が入るので,構図に工夫が必要かも知れません。また,神楽殿の床が高いので,脚立を用意して正解でした。

水神社に続く神楽撮影でしたが,同じ下総神楽でも地域によって演目や面が違うのが面白かったです。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/03/19

織作峰子写真展「時」

東京・銀座のリコー・フォトギャラリーRING CUBEで開催中の織作峰子写真展「時」へ立ち寄りました。

090319織作氏といえば,海外のスナップや風景を撮る写真家というイメージです。何気ないスナップの中に,女性的な優しさが写し込まれていて,ファンが多い写真家です。

今回の作品展は,「自身の意識に混在する『時』」がテーマです。これまで海外で撮りためたモノクロのスナップと,氏が3年ほど前から取り組んでいる桜の作品で構成されています。

窓から入る半透光と照明の微妙な光のバランスの中,モノクロのスナップと深い色彩の桜が対比するように配置されています。取り合わせが意外で,一瞬不思議な感覚に陥りますが,面白い試みだと思いました。

氏のスナップは,被写体への愛情が感じられて,気持ちの上ですごく勉強になりました。また,会場でにこやかに振る舞われていた氏は,TVや写真誌から受ける力強いイメージ(失礼)と違って,ものすごく華奢でおしゃれで美しい女性だったので驚きました。

写真展「時」は,3月30日までの午前11時~午後8時(火曜休み),場所は銀座4丁目交差点の三愛ドリームセンタービル8階(日産ビル向かい)です。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/03/15

九十九里・西ノ下の獅子舞

九十九里町西ノ下地区に伝わる獅子舞を撮りに行きました。

090315八坂神社の例祭に奉納される獅子舞は,江戸期の1819年,神社勧進のとき,江戸の魚河岸から神輿が寄進され,その露払いとして伝えられたもので,県無形民俗文化財です。

正午ころ,八坂神社に到着。祭礼の幟が出ていますが誰もいません。聞けば神輿は片貝浜に行っているそうで,機材を担いで500mほど離れた浜へ向かいます。
午後1時,浜のお仮屋で神事が始まり,獅子舞が舞います。それからお囃子,引き太鼓,神輿の順で巡行が始まりました。地区内を巡行しながら,獅子舞は氏子の家を回って舞います。悪疫退散を祈願するそうです。午後2時すぎ,神輿が片貝海岸に到着。ここから海に入る「汐ふみ」が始まります。海から上がった神輿の前でも獅子舞が舞います(上の写真,クリックで拡大します)。
神輿と獅子舞は,再び地区内を回りながら八坂神社を目指します。神社に還御したのは午後5時すぎ。最後に獅子舞が奉納されてお開きとなりました。

今回の機材はDX17-55/2.8G,VR70-200/2.8G,D300×2,ストロボはSB-800でした。反省点は,リサーチ不足だったこと。何せネット上でも祭礼日の正確な情報がなく,無駄足を覚悟して現地入りしました。世話役さんの話では,村回りは2日間にわたって行われるので,本祭は3月第3日曜が正しいようです。
獅子舞は,祭礼や村回りで舞う平獅子で,1回の舞い時間は短いです。その上,各戸の中で舞うので外からは見えません。必然的に舞っている獅子を撮るチャンスは限られます。そのせいでしょうか,アマチュア・カメラマンは数えるほどでした。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/03/01

南房総・増間の御神的神事

南房総市(旧三芳村)増間地区に伝わる御神的(おまと)神事を撮りに行って来ました。

090301房総に多く伝わる「おびしゃ」神事で,矢の当たり具合で作物の豊凶を占います。増間の日枝神社では1300年前から続き,県無形民俗文化財です。

雨の中,午後1時ころ現地着。林道口の駐車場から機材をかついで神社へ。雨天中止かと心配しましたが,集会所で準備が始まっていたので安心しました。地元の人に話を聞きながら待っていると,午後1時半ころ,拝殿で神事が始まります。御的を立てる作業が終わり,午後2時すぎから歩射が始まります。

流鏑馬と違って,地に足をつけて射るので「歩射」。これが転じて「おびしゃ」となりました。射手は氏子から選ばれた若者2人。当日は鍵元(世話人)の家で新湯に入り,神餅を食べ,滝で身を清めるそうです。12本の矢を2本ずつ交互に射ち,これを3回繰り返して早生・中手・晩生の作柄を占います(写真はクリックで拡大します)。
的まで23間3尺(43m),的の直径は1.8m。練習はするそうですが,「当たるか当たらないかは自分の意志ではなく,神様の意志」だと話してくれました。午後3時すぎ,結果が記録されて全行事が終わりました。

今回の機材は,DX17-55/2.8G,VR70-200/2.8G,D300×2,ストロボはSB-800でした。ゆっくりと行事が進むので,構図を考えて移動しながらシャッターを切る余裕がありました。見物人とアマチュアカメラマンは数える程度で少なかったです。雨に備えて用意したゴム長靴が大活躍しました(笑)。

矢を射るおびしゃ行事が少なくなった今,数少ない本格的なおびしゃです。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年2月 | トップページ | 2009年4月 »