2021/06/06

特別展「よみがえる正倉院宝物」

太宰府天満宮から九州国立博物館へは、連絡通路でつながっています。

Chirasi九博では、特別展「よみがえる正倉院宝物~再現模造にみる天平の技」を開催中。
1300年伝わる正倉院の宝物から「楽器・伎楽」「刀・武具」「染織」「仏具・箱と几(き)・儀式具」「鏡・調度・装身具」「筆箱」に分けて再現模造127点を紹介しています。

再現模造とは、原宝物を調査し、当時と同じ材料・構造・技法で再現する方法です。当時の技術を復元して継承するのが目的ですが、原宝物が年1回(秋の正倉院展、奈良国立博物館)しか公開されないのに対し、比較的身近に見ることができる副次的なメリットもあります。

今回の目玉は、現存する五弦の琵琶として世界最古の「螺鈿紫檀五絃琵琶」の、明治と平成の2つの模造の比較展示です(写真は公式チラシから引用)。新旧技術の違いがよく分かり、場内に音色を流してイメージしやすいように工夫した展示になっています。
このほか、ハープに似た楽器「螺鈿槽箜篌(そうのくご)」、聖武帝の太刀「金銀鈿荘唐太刀」、貴族の玉帯を入れる箱「螺鈿箱」など、見事な模造はもはや別個の第一級の美術工芸品でした。

九博は、平成17年(2005)に開館した歴史系の国立博物館で、佐倉の国立歴史民俗博物館(歴博)と並び、歴史・民俗好きには外せません。常設展示は、倭奴国王印など大陸との関係、白村江の戦いと太宰府や水城の備え、遣唐使、元寇、キリシタン踏み絵など、歴史の古い九州ならではの内容が多く、とても興味深いです。

この特別展は、九博では6月13日(日)まで。その後は新潟、北海道、東京と巡回します。

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2021/02/20

電車を止めるな!

妻と一緒に、ドライブインシアターin銚子で上映された「電車を止めるな!のろいの6.4km」を見に行ってきました。

20210220この映画は、経営難にあえぐ銚子電鉄が起死回生を狙って制作したギャグ・ホラー映画です。

銚電といえば、運賃収入より「ぬれ煎餅」の売上が支える赤字経営で知られています。映画は、制作費500万円をクラウドファンディングで集めたものの、結局2000万円ほどかかったり、社長自ら「超C級映画」「期待値ゼロで見に来て」と自虐ネタにしたりと、何かと話題になりました。

全国の中小映画館やホテル、寺社などを会場に(細々と)上映され、銚電応援のために一度は見たいと思っていました。
ストーリーはネタばれになるので割愛しますが、感動シーンや予想外の展開もあり、期待以上に楽しめました。

今回のドライブインシアターは、銚子観光協会の主催で、観光庁の「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」事業により無料でした。コロナ対策にも配慮がなされ、安心して鑑賞できました(スタッフの皆さんは大変だったと思います)。
観光協会と銚電からいただいたお土産に、「絶対にあきらめない」竹本社長の心温まる手紙が添えられ、感激しました。

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2020/11/08

企画展「松戸と徳川将軍の御鹿狩」

松戸市立博物館で開催中の企画展「松戸と徳川将軍の御鹿狩」に行ってきました。

20201108この企画展は、江戸期、小金牧で4回行われた徳川将軍の御鹿狩(享保の御鹿狩2回・八代吉宗)、寛政の御鹿狩・十一代家斉、嘉永の御鹿狩・十二代家慶)を、古文書や絵図、武具、当時の馬や鹿・猪のはく製などで紹介しています

松戸市の東部は、江戸期、小金牧(幕府の馬の放牧場)の一部でした。害獣(鹿・猪など)による農作物被害が多くなると、害獣駆除のため軍事訓練を兼ねた「御鹿狩(おししがり)」が行われました。
江戸城を発った将軍は、御座舟で松戸宿に入り、富士山に見立てた御立場から、旗本や牧士・農民勢子の動きを総覧しました。

これら4回の御鹿狩で使われた御立場は、現在の松飛台付近にありました。戦前まで「猪見塚(ししみつか)」の名で残っていましたが、昭和10年代に旧松戸陸軍飛行場の造成に伴って完全に撤去されました。

この企画展は、11月15日(日)まで開催しています。

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2020/10/31

菱川師宣記念館「新収蔵品展」

妻と一緒に、菱川師宣記念館(鋸南町)で開催中の「新収蔵品展」に行ってきました。

20201031この企画展では、地元の旧家から寄贈された父・菱川吉左衛門の刺繍画「柿本人麻呂像」と師宣の「昇り龍図」を同時公開しています。

江戸中期、浮世絵本の上部に文章を入れる形式を考案した師宣ですが、晩年はもっぱら肉筆浮世絵に専念し、名作「見返り美人」を生み出しました。師宣の描く女性は色鮮やかな小袖姿で、その凝った衣装の描写は、縫箔師だった父の影響と考えられています。
その吉左衛門の刺繍画は、刺繍とは思えない衣装の表現ぶりが見事でした。

他に、師宣の長男・友房の「風俗絵巻」など、師宣の作風を継いだ肉筆画も展示されています。

感染症拡大に伴う移動自粛が続いた影響で、南房総に遠征したのは8か月ぶりでした。帰りは道の駅「保田小学校」で地場産品を買い求め、明鐘岬の「岬カフェ」に立ち寄って帰宅しました。

「新収蔵品展」は、11月1日(日)まで開催しています。

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2020/10/03

企画展示「千葉のまつり」

千葉県立房総のむら(栄町)で開催中の屋外企画展示「千葉のまつり」に行ってきました。

20201003県内の上総・下総・安房の三地域から、各地域の特色を伝える祭りとして、上総の「市原の柳盾神事」、下総の「山倉の鮭祭り」、安房の「白間津のオオマチ」を取り上げています。

展示は、装束・用具と解説パネル、それに映像です。もとは展示と実演で紹介する予定が、感染症拡大の影響で、実演に代わり映像に変更された経緯があるようです。

実演がなくなったのは残念ですが、コロナ禍で県内の祭礼がほぼ中止の現況で、この企画を実現してくれたことに感謝です。 これら3つの祭礼は過去に取材したことがあり、当時の撮影行を懐かしく思い出しつつ、時の流れによる変貌の様子がよく分かりました。

この他、トピック展示「疫病退散を祈る祭り」として、市川で行われた大杉祭と栄町のオダチ行事の展示もあります。詳しい展示解説書(カラー13頁)も無料で用意され、貴重な資料になりました。

同時開催のウォークラリー「千葉のまつり展示めぐり双六」は、場内4か所の高札を巡って完成させると記念品がもらえます。各高札には「吾妻神社の馬だし祭り」「上総十二社祭り」「佐原の山車行事」「下総三山の七年祭り」の簡単な紹介がありました。

この企画展示は、10月3日~11月23日まで開催しています。

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2020/08/14

夏季展「坂川・江戸川 水景色」

松戸市の戸定歴史館で開催中の「坂川・江戸川 水景色」展に行ってきました。

20200814この企画展は、明治期に松戸に移り住んだ最後の水戸藩主・徳川昭武が趣味で撮影した古い松戸の風景などの古写真を通して、地域の変遷を辿っています。

展示は、第1章「坂川」、第2章「松戸徳川家の誕生」、第3章「徳川家の夏休み」、第4章「江戸川」の4部構成です。

「坂川」では、好んで撮った水辺風景や農作業をする庶民など、写真14点を紹介(右の写真は同じ場所で2017年撮影)。
「松戸徳川家の誕生」では、明治25年の分家の際、水戸徳川家から贈られた御譲品(おゆずりひん)など21点を展示。
「徳川家の夏休み」では、旅行先での家族や風景など、写真10点で華族の夏休みを紹介しています。
「江戸川」では、当時の松戸・市川・小岩の風景など、写真4点で当時の江戸川流域の風景を伝えます。

この企画展は、夏季展として定期的に開催されています。写真が高価だった時代、日常生活を記録した写真は貴重な歴史資料ですし、現在との対比が面白い企画展示になっています。

夏季展「坂川・江戸川 水景色」は、9/13(日)まで開催中です。

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2020/02/01

来訪神・仮面仮装の神々の現在~東北・北陸地方を中心に

国立歴史民俗博物館で行われた映画の会「世界無形文化遺産 来訪神・仮面仮装の神々の現在~東北・北陸地方を中心に~」に行ってきました。

20200201今回は、歴博研究部民俗研究系の川村清志氏が撮影・編集した「来訪神の今ーナマハゲ・アマメハギ・スネカ」(2020)の上映と解説でした。

ナマハゲ(秋田・男鹿半島)は、大晦日の夜、異形の仮面を付けて家々を廻り、怠け者の行状を諫めます。
アマメハギ(石川・能登半島)は、天狗・ガチャ(角のない鬼)2人・猿の4人で家々を廻り、ノミと槌を打ち鳴らして暴れ、家人の行状を諫めます。
スネカ(岩手・大船渡地方)は、異形の仮面に蓑をまとい、包丁を持って数人で家々を廻り、家人の行状を諫めますが、現在は中学生が扮して行われています。

いずれも家々の繁栄と豊穣を祈る来訪神で、家人を諫める過程で子供を威すのは郷中教育の一種です。しかし、民俗芸能は、世界無形文化遺産登録などで地域外にも知られるようになると、地元の想いとは無関係に、メディアの要望や海外からの誤解など様々な外的要因の影響を受けて芸能が変容する現実があり、東北・北陸地方の芸能もその局面にあるようです。他方、変容を避けるため外の影響を厳しく遮断(撮影・録音・メモ取りを禁止)して文化財化を拒むアカマタクロマタ(沖縄・八重山諸島)の例も紹介され、民俗行事の伝承と記録・公開の在り方(資源化)について深く考えさせられました。

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2020/01/10

特別公開「高御座と御帳台」

東京国立博物館で開催中の特別公開「高御座と御帳台」に行ってきました。

20200110「即位礼正殿の儀」(令和元年10月22日)で用いられた高御座・御帳台と、儀式に使われた威儀物が無料で公開されています。

高御座は、大正天皇即位の際に製作され、高さ6.48m・幅6.06m・奥行5.45m。黒漆塗りの基壇に朱塗りの高欄をめぐらせ、八角形の天蓋を8本の円柱で支えています。天蓋に大鳳凰、8つ角の蕨手に小鳳凰、蓋縁は華形・鏡光・瓔珞で装飾されています。内部は中央に御倚子(ごいし)が、その左右に剣璽と国璽・御璽を置く案(あん)が置かれています。

御帳台は、大正天皇以降に用いられるようになりました。造りは高御座とほぼ同じですが、高さ5.67m・幅5.3m・奥行4.77mとやや小ぶり。天蓋に瑞兆の鳥である鸞(らん)を載せ、蕨手や蓋縁の装飾が少なく、内部は御倚子のみなどの違いがあります。

展示は、第一会場にガラス越しで高御座・御帳台(撮影可)、第二会場に威儀物(太刀・弓・鉾・盾)と従者(武官・文官・女官)の装束再現が展示されています。無料公開なのに展示図録の小冊子も用意され、充実しています。

特別公開は1月19日(日)まで。会期後は、高御座と御帳台は解体されて京都御所に戻るそうです。

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2019/12/23

十二月大歌舞伎

妻と一緒に、歌舞伎座で公演中の「十二月大歌舞伎」を観に行ってきました。

20191223夜の部で、演目は「神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)」と「本朝白雪姫譚話(ほんちょうしらゆきひめものがたり)」でした。

「神霊矢口渡」(67分)は平賀源内の原作。強欲非道の渡し守・頓兵衛(尾上松緑)が褒美欲しさに落ち武者(坂東亀蔵)とその愛人・うてな(中村児太郎)を討とうとするのを、頓兵衛の娘・お舟(中村梅枝)が命を賭して防ぐ悲恋の物語です。後段の頓兵衛とお舟の激しい掛け合いが見せ場で、松緑の憎々しさと梅枝の女形が見事な作品でした。

「本朝白雪姫譚話」(113分)は、グリム童話「白雪姫」を素材にした新作歌舞伎です。実の母・野分の前(中村児太郎)から美しさを妬まれ、いじめられる白雪(坂東玉三郎)。暗殺を命ぜられた家臣・新吾(中村獅童)に命を助けられ、七人の妖精と山中で暮らしますが、老婆に扮した野分の前から毒リンゴを食べさせられ…。おなじみの童話を通じて、人間の欲望と不安、狂気を描いた大胆な作品でした。

歌舞伎座は初めてでしたが、1階席の3列目で花道のそばだったので、演者の生の声や表情を大迫力で感じることができました。イヤホンガイドの解説で場面の展開がよく分かり、楽しめました。ホールで買い求めた「筋書き」も、丸山勉作「令月枝垂梅」の表紙で、令和にちなんだ粋な趣向でした。

難しいイメージがある歌舞伎ですが、意外と分かりやすく、また別の演目を見てみたいと思いました。

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2019/12/04

大嘗宮と「大嘗祭」展

妻と一緒に皇居東御苑「大嘗宮一般参観」と國學院大學博物館「大嘗祭」展に行ってきました。

20191204a大嘗宮は、「大嘗祭」を行うため特別に設けられた祭場です。東の悠紀殿、西の主基殿、中央の廻立殿を中心に、東西の神饌を用意する「膳(かしわ)屋」と付属建物で構成されています。

大嘗祭は、即位後の天皇が皇祖神に神饌を捧げ、国の安寧と豊穣を祈る祭祀です。廻立殿で身を浄め、卜占で選ばれた東日本(悠紀地方)と西日本(主基地方)の神饌田で採れた新穀を悠紀殿と主基殿で捧げます(今回は11/14夜~15未明に催行)。

この日は、乾通り秋季一般公開中で、坂下門から乾通りの紅葉を見ながら、西桔橋から大嘗宮へ。ものすごい人出で坂下門から大嘗宮まで約2時間半かかりました。一般参観は12/8(日)までです。

20191204bより深く知るために、國學院大學博物館で開催中の「大嘗祭」展へ足を延ばしました。

この企画展は、「大嘗祭とは?-歴史と目的ー」「神に供える米ー新穀の準備ー」「大嘗祭の場ー大嘗宮 悠紀殿・主基殿ー」「天皇の神事ー神饌供進ー」「祭りのあとの祝宴ー節会ー」「吉田家文書と大嘗祭」の6テーマで大嘗祭の意味に迫っています。

同大学所蔵資料と解説で、大嘗祭は壬申の乱(672)で乱れた国の安寧を願い天武・持統天皇の時代に始まり、南北朝期や応仁の乱後の中断を経て江戸中期に桜町天皇が再興(1738)したこと、即位が7月より前ならその年の、後なら翌年の11月二の卯日に行われること、悠紀殿と主基殿は、もとは両地方の人々が七日前から建て始め、五日間で竣工し、祭祀が終わるとすぐに取り壊したこと、両殿内で行われる神事と作法、捧げられる神饌の模型など、非公開で行われる大嘗祭がよく分かる好企画です。

國學院大學博物館は、常設展示の考古祭祀と神道関係が充実しています。企画展「大嘗祭」の展示図録は早々に完売で手に入らず残念でした。こちらの会期は12/22(日)までです。

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