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2024/01/20

山鹿・八千代座

旧豊前街道の宿場町に残る八千代座(熊本県山鹿市)を訪ねました。

20240120a_300明治43年(1910)の建築で、江戸期の歌舞伎小屋の様子を伝える数少ない例として国重要文化財に指定されています。

山鹿は、古くから温泉と参勤交代の宿場として栄えました。八千代座は、山鹿の明治三大改革(温泉改革、鉄道、劇場)の一つで、地元の富商(旦那衆)が劇場組合を作り、株を募って資金を捻出し完成。

明治~大正~昭和と、庶民の娯楽の中心だった歌舞伎や芝居の興行で賑わいました。
公演は、明治期の大歌舞伎・活動写真、大正期の浪曲・少女歌舞伎・芸術座の公演(松井須磨子のカチューシャ)、昭和期の新派劇・連鎖劇など、時代の流行を反映。

戦後は楽団やバイオリンの演奏会、淡谷のり子の歌謡ショーなど、わさもん(新しいもの好き)らしい公演も。昭和30年代に映画館に転用されますが、高度経済成長期には娯楽の多様化で映画も衰退。経営不振で廃業・閉館(昭和48年)後、使われないまま老朽化し、身売り話も出ていました。

地元の人々に保存の機運が高まり、転機が訪れます。松竹歌舞伎の一行が見学、国の文化財指定が決定、坂東玉三郎が公演に訪れるなど、その価値が再評価。平成の大修理(1996~2001)で、シャンデリアや天井広告などを復元し、最盛期(大正十二年当時)の華やかな姿が甦りました。今も坂東玉三郎の公演から地元小学生の演劇発表まで広く使われる現役の劇場です。

休演日には館内見学が可能。木戸口(テケツ)→花道→舞台→舞台裏(道具部屋・楽屋)→奈落(廻り舞台下の迫り・花道下のスッポン)→二階桟敷と巡り、構造がよく分かります。特に「八千代座物語」チケットは、館内見学と「灯籠踊り」公演がセットで楽しめてお勧めです(1日1回午前のみ限定)。

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