« 2022年12月 | トップページ | 2023年3月 »

2023/02/13

佐賀・鍋島氏と佐賀城

県立美術館(旧二の丸跡)から佐賀城本丸跡へ。

20230212b佐賀は、戦国大名・龍造寺隆信が薩摩島津氏との交戦で敗死後、重臣・鍋島直茂に実権が移りました。

鍋島氏は、秀吉の九州征伐や朝鮮出兵に龍造寺軍を率いて参陣。実力を認められ、肥前の実権を任されます。関ヶ原では東軍として九州の西軍諸将を攻め、小早川秀包の久留米城を落城させました。

江戸期、龍造寺氏の嫡流が絶えると、幕府は鍋島氏を藩主と認定。このため、藩内に長く対立が残りました(鍋島騒動)。

江戸後期、破綻寸前の佐賀藩を立て直し、幕末の雄藩に押し上げたのは、十代直正公です。財政改革にとどまらず、有為な人材を登用し藩政を刷新。さらに西洋技術を研究させて殖産興業を奨励。幕末には、製鉄技術を活かして洋式大砲を鋳造し、蒸気軍艦を建造する強藩となりました。明治新政府で活躍した江藤新平・副島種臣・大隈重信・佐野常民らを輩出しています。

佐賀城は、旧龍造寺氏の砦を天正年間に鍋島氏が居城として整備。江戸期、二度の大火で天守と二の丸を失い、天保期に直正公が本丸御殿を再建。当時の建物は「鯱の門」(国重文)が残り、復元された「本丸御殿」(平成16年)に直正公の「御座間」(市重要文化財)が移築されています。

| | | コメント (0)

2023/02/12

「竹久夢二」展

佐賀県立美術館で開催された「竹久夢二」展に行ってきました。

20230212a竹久夢二(1884~1934) は、大正浪漫期を代表する画家です。

夢二は、岡山県に生まれ、16歳のとき福岡県に移住。17歳で単身上京し、苦学しながら投稿した雑誌や新聞の挿画が評判になりました。25歳で発表した「夢二画集・春の巻」(明治42年)が大ヒット。国内外で精力的に作品を発表しました。

洋風に和の抒情性を採り入れたモダンな「夢二式美人画」 が人気で、出版物の挿絵や表紙を手掛けるグラフィックデザイナーの先駆けでもありました。

この展覧会は、「佐賀で巡り合う大正浪漫の世界」がサブタイトルの新春特別展です。九州初公開の「南枝早春」「春の夜」(いずれも昭和初期)、「薔薇 画賛」「ホームソング」(いずれも大正15年頃)など、約209点の作品を紹介しています。

夢二が愛用した「ベス単」(ベスト・ポケット・コダック)で撮った写真が面白かったです。スナップ的な行動記録と、絵の構図の研究用に撮影した写真だそうですが、シャッターを押す瞬間の心象が伝わってきました。

この日は会期の最終日で、年代を問わず大勢の観客で盛況でした。

| | | コメント (0)

« 2022年12月 | トップページ | 2023年3月 »