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2022/10/03

福岡・鴻臚館跡

福岡市中央区の鴻臚館(こうろかん)跡展示館を訪ねました。

20221003鴻臚館は、平安期に存在した迎賓館です。京・難波・筑紫の3か所に置かれたとされますが、遺跡が確認されたのは筑紫のみです。

筑紫には、飛鳥~奈良期(7世紀後半)、朝廷の外交拠点「筑紫館」(つくしのむろつみ)が置かれていました。688年に筑紫館で新羅使を接遇した記録が残っており、唐・新羅の使節の受入れや、遣唐使や留学生が出発する施設として使われました。

平安期に拡張されて「鴻臚館」になり、838年に大宰の「鴻臚館」で唐の人と詩を詠んだ記録が残っています。この頃は、唐や新羅が衰退して外国使節の来訪が途絶え、やがて遣唐使も廃止されます。代わって帰国留学生や外国商人の接遇の記録が多くなり、外交施設から商客宿坊に役割が変わったようです。1047年に放火された記録を最後に、「鴻臚館」は歴史の舞台から忽然と姿を消しました。

謎が多い鴻臚館ですが、旧平和台球場跡から見つかった筑紫の鴻臚館は、遺構の一部が公開されています。復元建物のほか、中国や朝鮮半島の陶器片や中東のペルシャガラス片、便所遺構から発見された籌木(ちゅうぎ)などを展示して、1200年の時空を超えて往時の繁栄を今に伝えています。

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