柳川・北原白秋生家と記念館
柳川は、近代日本の国民的詩人・北原白秋(1885-1942)の故郷です。
白秋は、明治18年、沖端で酒造業を営む商家に生まれました。実家は、代々藩御用をつとめた海産物問屋で、柳川屈指の豪商でした。白秋は、「トンカジョン」(「良家の大きい坊ちゃん」の方言)と呼ばれ、不自由なく育ちました。
12歳で伝習館中学に進み、このころから詩歌に熱中。16歳のとき、沖端の大火で実家が延焼し、北原家は財を失います。19歳で父の反対を押し切り上京するまで、白秋は柳川で多感な時期を過ごしました。
上京後は、与謝野鉄幹・晶子、石川啄木、萩原朔太郎や室生犀星らと交流。リズム感あふれる自由な作風で、児童誌「赤い鳥」に童謡詩を連載。山田耕筰と組んで童謡歌謡のジャンルを開拓。膨大な童謡と校歌を作詞しました。晩年は、持病から眼底出血を併発して視力を失い、昭和17年11月2日、病没(享年57歳)。
白秋生家は、明治34年(1901)の大火で焼け残った母屋を復元。かつて酒蔵が並んだ敷地には白秋記念館(柳川市立歴史民俗資料館)があり、1階は柳川の歴史と民俗、2階は白秋の生涯と作品を紹介しています。
白秋といえば、市川・里見公園(千葉県)にも「紫烟草舎」(小岩時代の住居)が移築保存されています。
次は、少し戻って旧藩主立花邸に向かいます。
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