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2018/02/05

京都・冬の特別拝観2018(洛東編)

20180203k世界遺産の清水寺(北法相宗大本山)へ。

宝亀九年(778)、清い水の湧く地(音羽の滝)に創建され、もとは奈良・興福寺(法相宗大本山)の末寺でした。奈良仏教の京都における布教拠点だったので、京都仏教と激しく対立。何度も伽藍を焼失し、現在残る建物はほとんどが江戸初期の再建です。昭和40年に北法相宗を立宗し、単立寺院となりました。

清水坂を上がると、仁王門の右奥に西門・三重塔・経堂(いずれも国重文)が見えます。もとは西門が正門で、御所を見下ろすのを憚り、仁王門で目隠ししたとか。
「清水の舞台」で有名な本堂(国宝)は、本尊・十一面千手観世音菩薩を祀ります。舞台は芸能を奉納する場所で、4階建てビルの高さがあります(2021年まで平成の大修理中)。外国人観光客の人気1位だけあって、境内はどこもすごい人出でした。

20180203l特別公開の塔頭・成就院は、応仁の乱後、清水寺を復興した願阿上人の住房として創建。幕末には勤皇僧・月照上人が住職を務めています。
庭園「月の庭」(国名勝)が有名で、高台寺山を借景に池と奇石を配し、特に池に映る月が美しいそうです(非公開)。縁先に置かれた豊臣秀吉寄進の「誰が袖手水鉢」は、木の株のような不思議な石でした。
持仏堂(護摩堂)は、本尊・十一面千手観音と不動明王、月照上人と弟・信海上人の木像を祀ります。月照上人は勤皇派の公家や志士との人脈が広く、西郷隆盛とも懇意でした。安政の大獄(1858)後は弾圧を避けて西郷とともに薩摩に逃れますが、追手が迫り錦江湾で船上から入水し、西郷のみが助かりました。この時の二人の着物と、月照上人十七回忌で西郷が詠んだ弔詩(拓本)を公開しています。

20180204a初公開の泉涌寺(真言宗泉涌派総本山)へ。鎌倉初期、月輪大師が宋仏教に倣って創建し大伽藍を整えました。幕末まで天皇家の菩提所となったので、「御寺」(みてら)と呼ばれています。
舎利殿は、慶長年間に御所から移築した建物で、内陣の舎利塔には「仏牙舎利」(釈迦の歯)を納めています。月蓋長者像と韋駄天像(ともに国重文)を祀り、天井の狩野山雪作「雲龍図」は鳴き龍として知られます。
寺宝の皇女和宮ゆかりの念持仏(肌守り)、細字法華経釈迦如来像(細かい字で書かれた掛軸)も公開されていました。
仏堂(国重文)は、江戸初期の再建で重厚な唐様建築です。内陣に運慶作の阿弥陀如来・釈迦如来・弥勒菩薩を祀り、それぞれ人の過去・現在・未来を護っています。この祀り方は、宋仏教では見られるものの、国内では珍しいとか。高い天井は狩野探幽作「雲龍図」が描かれ、法要時には巨大な「大涅槃図」が掛けられます。
寺では、今でも天皇家の祭祀が行われており、その際はまず神官が神事を行い、僧侶が法要を行うそうです。
大門そばの「楊貴妃観音堂」では、唐代の作と伝わる美人さんな楊貴妃像(国重文)に会うことができます。

東福寺(臨済宗東福寺派大本山)は、2015年以来2度目の訪問です。鎌倉初期、摂政関白の九條家が氏寺として創建し、東大寺のように大きく、興福寺のように隆盛をと願って名付けた京都五山第四位の禅寺です。今回は、特別公開の禅堂・経蔵と塔頭・即宗院を見学。
20180204b初公開の禅堂(国重文)は、室町初期の建築で、400人以上の僧が同時に修行した現存最古最大の禅道場です。堂内中央に祀る文殊菩薩は、聖僧の形で珍しく、修行僧の身近にいることを表わしているそうです。
初公開の経蔵は、江戸中期の再建で、八角形の回転輪蔵には経典箱を納めています(回転は不可)。鎌倉期に記された日本初の仏教史書「元亨釈書」の版木も公開されていました。

塔頭・即宗院へ。木造の偃月橋を渡ると、前に見学した龍吟庵の隣にありました。
嘉慶元年(1387)、薩摩の島津氏久の菩提を弔うため創建され、江戸期に島津家久が再興し、薩摩藩の畿内菩提寺とされました。幕末に西郷隆盛と月照上人が討幕の密儀をし、各地に密令を発したり、鳥羽伏見の戦いで裏山に布陣した薩摩軍が洛中に向けて砲撃した地でもあります。
20180204c庭園「月輪殿」(市名勝)は、関白・九條家の山荘跡で、森を借景に池と石を配し、紅葉と苔が美しい庭園として知られています。
寺宝として、薩摩・島津家から拝領した火鉢や重箱などの調度類のほか、西郷隆盛直筆の書(掛軸)、徳川慶喜直筆の書(掛軸)を公開中。島津の家紋入り火鉢は、一説では篤姫が滞在中に手をかざしたとされますが、史実では篤姫が滞在したのは夏だったので真偽は?だそうです。

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