みちのくの仏像展
上野の東京国立博物館で開催中の「みちのくの仏像」展に行ってきました。
2011年3月11日の東日本大震災から4年、被災地の復興はまだ道半ばです。東北各地の仏像を通じて、東北の魅力を広く紹介し復興を支援する企画展で、東北への仏教伝播の様子や、人々の素朴な信仰が感じられる展示になっています。
展示は、岩手・天台寺の聖観音菩薩立像(11世紀)→同・如来立像(同)→山形・吉祥院の薬師如来立像(同)→同・千手観音菩薩立像(10世紀)→同・阿弥陀如来立像(11世紀)→宮城・双林寺の薬師如来坐像と持国天・増長天立像(いずれも9世紀)→福島・勝常寺の薬師如来坐像と両脇侍立像(同)→岩手・黒石寺の薬師如来坐像(同)と日光・月光菩薩立像(12世紀)→秋田・小沼神社の聖観音菩薩立像(10世紀)→岩手・成島毘沙門堂の吉祥天女像(9世紀)→訶梨帝母坐像(12世紀)→青森・恵光院の女神坐像(12~13世紀)→山形・慈恩寺の十二神将立像(13世紀)→宮城・給分浜観音堂の十一面観音菩薩立像(14世紀)→青森・西福寺、同・常楽寺、秋田・龍泉寺の円空仏3体(いずれも17世紀)です。
展示総数は26体(うち国宝1点、国重文7点)で、本館の一室のみを使った小さな特別展ですが、東北三大薬師(岩手・黒石寺、福島・勝常寺、宮城・双林寺)が一度に見られる貴重な機会です。また、山形・慈恩寺の十二神将立像は、公式サイトや図録の写真にはない金物を手に持っていて迫力がありました。
みちのくの仏像は、一木造で無彩色の素朴な彫りが多く、仏像に詳しくない私にも、京都や江戸の仏像と随分違うことがよく分かりました。
週末は混雑している東京国立博物館ですが、今回は金曜の夜間開館を利用したので人が少なく、間近でじっくり拝観できて良かったです。音声ガイド(ナレーションは薬師丸ひろ子)も分かりやすくてお勧めです。
みちのくの仏像展は4月5日まで、収益の一部は被災した文化財の修復に役立てられます。
※チラシ写真は岩手・黒石寺の薬師如来坐像です。
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