市原・椎津のカラダミ
市原市の椎津地区に伝わる盆行事「椎津のカラダミ」を撮りに行ってきました。
毎年8月15日の夜,新盆供養や水難の慰霊,疫病退散を祈願して,葬列が賑やかに集落を練り歩く奇祭で,県無形民俗文化財です。
戦国時代,敗死した椎津城主・椎津小太郎を偲んだ領民が,祭りに仮装して葬儀を出したものとも,城主を逃がすため偽の葬儀を出して敵の目を欺いたものとも云われています。
午後5時,小太郎の菩提寺・瑞安寺に到着。午後6時,本堂で供養の仏事が始まりました。読経の後,小太郎の位牌が前庭の供養塔に移され,祭り関係者が焼香します。約1時間の仏事が終わると,位牌は万灯山車(じゃらぼこ)に移されます。
午後7時,万灯山車が地区を巡行します(上の写真,クリックで拡大)。2本の綱で地元の皆さんに曳かれ,約1kmの道のりを1時間かけてゆっくりと進みます。お囃子は,一斗缶をガンガン叩き,「そらやっせ,おっこらせ」「じゃらぼこ,じゃらぼこ,おんじゃんじゃん」と謡う素朴なもの。終着点では,山車の飾りが外されて,地元の皆さんが魔除けに持ち帰っていました。
午後8時半,終着点に近い地蔵坂の入口からカラダミの葬列が出発。逆ルートで瑞安寺へ向かいます。
カラダミは「空荼毘」が訛ったもので,実際の葬式と同様,幡,施主花,位牌,杖,棺,天蓋の行列です。一行は,口々に「おっとうが死んじまった,おっかあが死んじまったよう,わあわあ」と叫びながら,青年会長さんを入れた棺を担いで疾走します。
瑞安寺では,前庭で幡を中心に3周した後,本堂の裏手に消えていきました。続いて,地元の皆さんが小太郎の供養塔に線香をあげ,行事が終了したのは午後9時すぎでした。
今回の機材は,DX17-55/2.8G,D300,SB-800でした。見物人はほとんどが地元の皆さんで,アマチュア・カメラマンは少なかったです。
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コメント
これは、市原なんですね。
8/20に、千葉ポートタワー前の海で、神輿が海へ入るのをやっていたようですが、それが掲載されるかと注目してます。
あれは何だってんですかね。。。
投稿: MoBlue | 2009/08/22 10:30
MoBlueさま,
8/20のお祭りは,たぶん寒川神社の「夕星(ゆうづつ)の祭典」だと思います。神輿の「浜降り」行事はしばらく途絶えていたそうですが,数年前から復活したようです。残念ながら,この祭りは取材に行っていないので掲載予定はないのですが,来年あたり行ってみようかなと思っています。
投稿: ぜ | 2009/08/22 11:41